ニューマン・スカイラインをRS仕様にリメイク
技術屋集団プリンスが生んだ日産「スカイライン」は、いつの時代も最先端の技術を身にまとい、最高のGTカーであり続けたことは言うまでもありません。今回紹介する内田幸夫さんの愛車は、「ニューマン・スカイライン」の愛称で親しまれた6代目スカイラインです。イジりすぎることなく、シンプルな1980年代テイスト漂うRS仕様にカスタムされています。
歴史に残る日産車に搭載されたL20ET型ターボエンジンを搭載
日産「スカイライン」はユーザーたちにとって親しみやすい愛称が世代ごとにつけられことも有名な話。過去を振り返ると2代目スカイラインは「羊の皮をかぶった狼」、3代目は「ハコスカ」、4代目は「ケンメリ」、5代目は「ジャパン」、そして6代目では俳優ポール・ニューマンをCMやカタログに起用したことで「ニューマン・スカイライン」の愛称で親しまれた。
今回紹介する内田幸夫さんの愛車は、そんな6代目ニューマン・スカイラインだ。当時のボディバリエーションは、3代目C10型から脈々と受け継がれる4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバンに加えて、スカイライン史上初にして唯一の5ドアハッチバックがラインアップされたことが話題になった。
パワーユニットであるエンジンについては、グレード別に、TI-LエクストラがCA18Sエンジン、GT-LがLD28エンジン、GT-E・XがL20E/ETターボエンジンを搭載していた。そして、1983年のマイナーチェンジではGT-Lがカタログ落ちし、後期型としてTI-LエクストラとGT-E・Xの2グレードのみを設定。ボディバリエーションは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、ハッチバックが用意されていた。
内田さんの愛車はHR30型の後期2ドアハードトップで、グレードはGT-E・X。パワーユニットは国産初のターボエンジンとして430型「セドリック/グロリア」に搭載されて以降、C210型スカイライン、S130型「フェアレディZ」、F30型「レパード」、C31型「ローレル」などに搭載されたL20ET型である。
いわゆるL型ターボユニットと呼ばれるエンジンで、熟成のメカニズムと新時代を切り開く過給機の組み合わせによって、強靭かつパワフルな走りを見せた。また、R30シリーズには「スカイラインRS」という直列4気筒のFJ20ターボ搭載のハイパワーグレードのマシンも存在したが、スカイラインといえば6気筒が代名詞という理由から、あえてニューマン・スカイラインを選ぶオーナーが多かったと聞く。
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純正スタンダードのまま排気系のグレードアップを狙う
内田さんもニューマン・スカイラインのことは昔から知っていて、大好きなスカイライン、そして伝統の6気筒であることから購入。そのイジり方は、なるべく純正の良さを崩さない形でベース車の魅力を高めるチューニングを施す。
言われなければ気づかないほど収まりがよいエクステリアは、フロントバンパーをRS用に交換。ハニカムグリルはそのままに、サイドステップなどはRS用のオプションパーツを装着している。また、懐かしさを感じるフェンダーのストライプステッカーも当時はオプションパーツとして設定されていた部品だ。
エンジンについては、純正スタンダードのまま排気系のグレードアップチューンを施し、メインパイプはφ70、マフラーはこだわりのφ50デュアルタイプを装着。この時代、「マフラーはデュアルこそスポーティ」なんて言われていたことを思い出させてくれる仕様だ。
ホイールは懐かしのロンシャンXR4を装着
足まわりはHR30型スカイラインの場合、フロントがストラット式、リアはセミトレーリングアーム式なので、それぞれ車高キットを装着させてローダウン化。その際、リアのセミトレーディングサスがバンプストローク時にネガティブキャンバー角が大きくなり、タイヤ接地面積が減少するデメリットを発生させるため、トラクションをしっかり稼ぎ出せる細工を施している。
大人のセンスによってまとめた内田さんのニューマン・スカイライン。ホイールも当時を彷彿させるロンシャンのXR4を履かせるなど、ライトチューンによる落ち着いたスタイルが魅力的でカッコよく仕上がっていた。
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