FFながらセレクトレインを搭載しジープらしさを強調
続く9月26日にはジープブランド初のBEV、「アベンジャー」が発表された。アベンジャーはジープブランドで約2年振りとなるニューモデルで、2WD(FF)車として初めてセレクテレインを採用している。
アベンジャーのボディサイズは全長4105mm×全幅1770mm×全高1595mm。ホイールベースは2560mmとなっている。ジープブランドで最小のボディサイズとなり、ブランドのエントリーモデルというポジションとなっている。
鋭い人はもう気がついていると思うが、フィアット600eとジープアベンジャーは、同じNEW eCMP2プラットフォームを採用している兄弟車だ。しかしアベンジャーは、ジープらしい走破性を実現させるため600カ所におよぶチューニングを施されている。
アベンジャーの外観デザインは、ジープブランドのアイコンであるフロントの「7スロットルグリル」はヘッドライトよりも前面に配置され、万が一の衝突の際にもヘッドライトを保護する。
サイドの盛り上がったフェンダーによって力強い印象を与え、オンロードでもオフロードもボディサイズ以上の存在感を誇っている。リアには、ジェリー缶のデザインからインスパイアされた「X」のシグネチャーライトを装備している。
インテリアは、「デザイン・トゥ・ファンクション(機能性を考慮したデザイン)」を意識し、センターコンソールには約26Lの収納スペースを確保するなど多くの収納スペースを備えている。また、ラゲッジルームは5人乗車時に355Lの容量を確保している。
最大航続可能距離は486km
アベンジャーが搭載しているパワートレインは、フロントに最高出力156ps、最大トルク270Nmを発生するモーターを採用54kwhのバッテリーを搭載し、駆動方式は2WD(FF)で満充電時の走行可能距離はWLTCモードで最大486kmを実現。また普通充電およびチャデモ方式の急速充電にも対応している。
アベンジャーは2WD(FF)車ながら、初の「セレクテレイン」と「ヒルディセントコントロール」を標準装備。「セレクテレイン」は、ノーマル、エコ、スポーツ、スノー、マッド、サンドという6つの走行モードパターンからシーンに合わせて選ぶことが可能。また「ヒルディセントコントロール」機能は、急な下り坂でも一定速度で走行できるようにアシストしてくれる。
アベンジャーには運転支援機能として、アダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキなど8つの機能を採用している。
ジープアベンジャーの車両本体価格は580万円。国の補助金であるCEV補助金は65万円だ。また発売を記念してサンルーフや18インチアルミホイール、ブランクペイントルーフ、イエロダッシュボードの4つの特別装備に加えて、本物を忠実に再現した1/43サイズのダイキャスト総額33万円相当の装備を付けたローンチエディションを595万円で限定150台販売する。
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フィアット600e、ジープアベンジャーともにBEVが先行発売され、2025年にはマイルドハイブリッド車を導入する予定となっている。BEVの選択肢が増えるというのは歓迎だが、昨今の情勢を考えるとBEVだけというのはセールス的にかなり厳しいので、BEVとマイルドハイブリッドでパワートレインを選べるというのはユーザーのメリットは大きい。