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全面ブラッシュアップされたVW新型「T-Cross」に乗ったら驚愕! 走りの進化ぶりはマイチェンの範疇を超えていました

全面ブラッシュアップされたVW新型「T-Cross」に乗ったら驚愕! 走りの進化ぶりはマイチェンの範疇を超えていました

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/武田公実(TAKEDA Hiromi)

走りの質感やクオリティが大幅に進化

しかし、新型T-Crossでもっとも特筆すべきは、走りの面での進化である。

1.0 TSIエンジンはスペックの面では不変ながら、ミラーサイクルとされたことで低・中速トルクが増したのか、トルクの立ち上がりがスムーズで静か。遮音も見直されたのか、従来型よりも明らかに静粛性が増しているように感じられる。

またサスペンションも大きな変更はないとのことながら、従来型では道路の不整をそのまま車体の動きに反映してしまっていたのに対して、この改良版では215/45R18というボディサイズや排気量のわりには太いタイヤを履いた「Rライン」であっても、路面の凹凸をコツコツと拾うくらいで、従来型で感じられた強めの突き上げなどは大幅に減少されている。つまりは、通常のマイナーチェンジの範疇を大きく超えた、ドラスティックな進化を遂げていることが確認できたのだ。

「ごきげんワーゲン」の復活……?

2010年代後半のVW技術陣は、BEV「ID.」シリーズの拡充を急ピッチで迫られていたことから、T-Crossの開発についても限られた予算とマンパワーで対処せざるを得なかった……? などというまことしやかな噂があるのは認識しているが、その真偽のほどは定かではない。

それでも、顧客や市場のリクエストに対して率直に応え、改良型で確たる回答を出してきたことには、VW持ち前の美風が今いちど見直されたと実感したのだ。

ちなみに、今回「フォルクスワーゲン グループ ジャパン」が開催したプレス向け試乗会に際しては「T-Crossのあるライフスタイル」を疑似体験できるコンテンツとして「ヨガ」や「フルイドアート」、そして「金継ぎ」を学ぶワークショップも併催されたのだが、こういった休日に彩りを与えてくれそうな趣味を楽しむために遠出するにも好適な、ロングツアラーとしての資質が、新型T-Crossでは格段に向上したといえるだろう。

このクルマとともに街を走らせているうちに、数年前にフォルクスワーゲン グループ ジャパンが独自に展開した日本独自のプロモーション企画、今や忘れ去られつつある「ごきげんワーゲン」というPRフレーズが、自然と口をついて出てしまった筆者なのである。

■specifications

VOLKSWAGEN T-Cross TSI R-Line
フォルクスワーゲン Tクロス TSI Rライン

・車両価格(消費税込):389万5000円
・全長:4135mm
・全幅:1785mm
・全高:1580mm
・ホイールベース:2550mm
・車両重量:1260kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボ
・排気量:999cc
・エンジン配置:フロント
・駆動方式:FWD
・変速機:7速DSG
・最高出力:85kW(116ps)/5500rpm
・最大トルク:200Nm/2000-3500rpm
・燃料タンク容量:40L
・公称燃費(WLTC):17.0km/L
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット、(後)トレーリングアーム
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッドディスク、(後)ディスク
・タイヤ:(前&後)215/45R18

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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