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中古車で見かける「タイベル・ウォーターポンプ交換済」とは? タイミングチェーンなのに「ベルト交換済」なる表記もあるので要注意です

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: AMW/Stellantis N.V./ 三菱自動車(MITSUBISHI MOTORS CORPORATION)

  • タイミングベルトはカバーに覆われているため、普段は見えない
  • タイミングベルトとは、エンジンのクランクシャフトとヘッドにあるカムをつなげている特殊繊維でできたベルトのことで、ピストンとバルブの動きを連動させるという重要な役割を担っている
  • 万が一、タイミングベルトが切れるとエンジン内部の動きがバラバラになるので最悪の場合、ピストンとバルブが当たって破損する
  • タイミングベルトが切れて、シリンダーに傷が入ってしまうと、エンジンそのものを交換するしかない
  • ウォーターポンプは、エンジンの冷却水を循環させるために必要な部品だ
  • 新品のタイミングベルト
  • タイミングベルトを張るためのベルトテンショナー
  • テンショナープーリーも同時に交換する
  • タイミングベルトカバーには、交換目安走行距離のシールが貼られている
  • 最近のクルマには、タイミングチェーンが使用されている
  • タイミングチェーンでもウォーターポンプだけは交換しないといけない
  • タイミングベルトは10万kmを目処に交換をしたい

交換をしないとオーバーホールもしくはエンジン交換になる

最近のクルマでは10年/10万kmは通過点に過ぎず、調子よくさらに乗り続けることができます。ただし、10年/10万kmというのはメンテナンスの節目であることには変わりなく、手を入れる部分がいくつかあります。その代表的な交換部品と言えば、タイミングベルトとウォーターポンプです。

ピストンとバルブの動きを連動させるタイミングベルト

走行距離がかさんでいる中古車物件のスペックを見ていると「タイミングベルト・ウォーターポンプ交換済み」なる表記というか、アピールを見かける。これらは何かというと、まずタイミングベルトとは、エンジンのクランクシャフトとヘッドにあるカムをつなげている特殊繊維でできたベルトのことで、ピストンとバルブの動きを連動させるという重要な役割を担っている。

万が一、切れるとエンジン内部の動きがバラバラになるので最悪の場合、ピストンとバルブが当たって破損することも。そうなると、オーバーホールもしくはエンジン丸ごと積み換えになってしまう。ちなみに最近はオーバーホール用のサイズが大きいピストンの供給は基本的にされないので、シリンダーに傷が入ってしまうと、エンジンそのものを交換するしかない。

最近はタイミングチェーンが主流だが、注意点も

タイミングベルトのほかに金属製のタイミングチェーンもあって、最近ではこちらのほうが主流になってきている。チェーンなので切れないし、伸びてもテンショナーが吸収してくれるので交換する必要はない。ただし、タイミングベルト、タイミングチェーンどちらもウォーターポンプと一緒に駆動していて、放置しておくと冷却水漏れや冷却水を送る羽根が減ってしまうなどのトラブルにつながるため、こちらも10万kmごとの交換が指定されていることが多い。つまり、タイミングチェーンのクルマでもウォーターポンプだけは交換しないといけないので注意したい。

タイミングベルトやテンショナーはエンジン側面に付いているものなので、交換はけっこう大変で費用もかかる。車種やエンジンの大きさ、ボンネット内の配置などによるが、タイミングベルトとウォーターポンプ、テンショナーの3点セットを変えて10万円ぐらいかかることもあるので、交換時期を迎えた中古車で交換済みか無交換かは大きく異なってくる。無交換の個体をその分安く買って改めてディーラーや修理工場に依頼するという手もあるだろうが、手間はかかる。そういう意味でも交換済みを買ったほうがよく、そのためわざわざ明記されているのだ。

ただし、本当に交換してあるかをパッと見で確認することは難しいので、信頼できる中古車店で買うのがベスト。なかにはタイミングチェーンなのに、ベルト交換済みとあったりするので、よく確認してから購入するようにしたい。

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