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あなたの「保管スタッドレスタイヤ」は大丈夫? 今シーズンも使えるか否かを判断する4つのチェック方法を伝授します

タイヤの硬度は見た目や触っただけではわからない

保管していたスタッドレスタイヤは今冬も使える?

10月になっても最高気温が30度に達するという2024年。このまま熱帯化して、冬など来ないのでは、と勘違いしそうになりますが、もうあと1カ月もすると暦の上では「立冬」(2024年は11月7日)。ぼちぼち冬支度も考えておきたいところです。そんなこの時期、カーライフで気になるのは、昨シーズン使ったスタッドレスタイヤが今度の冬も使えるのかどうか。スタッドレスタイヤの寿命は、次の4点で判断するのが基本です。

1:ゴムの硬度

スタッドレスタイヤは、低温下でも硬くなりにくい柔らかいゴムを使っている。そのため雪上や氷上でも滑りにくくなっている。つまり、ゴムの柔軟性がスタッドレスタイヤの命なのだが、スタッドレスタイヤも使い始めて一度タイヤに熱が入ると、徐々にゴムが硬化していく。

タイヤの硬度は見た目や触っただけではわからないため、ゴム専用の硬度計で計るのが一番だ。新品のスタッドレスタイヤの硬度は、35~45度。これが55度を超えるようだとそろそろ交換時期。60度を超えたら即交換レベルとなる。

タイヤの硬度計はネット通販などで安いものなら2000円ぐらいから購入できるが、タイヤショップや大手カー用品店などに行けば、無料で測定してくれる。タイヤの硬度は、銘柄、走行距離、保管状況などでも変わってくるので、ウインターシーズンを迎える前に、手持ちのスタッドレスタイヤの硬度を一度計ってもらうのがおすすめだ。

2:使用年数

前項のとおり、スタッドレスタイヤにとってゴムの柔軟性は非常に重要となる。しかしゴム製品は生モノで、一度使用し、熱が入るとそこから徐々に劣化がはじまり、ゴムの硬化がはじまっていく。前述のゴム硬度でいえば、1年に10度ずつぐらい固まっていくと思っていれば間違いない。

つまり新品時のスタッドレスタイヤの硬度が35度だったとすると1年落ちだとだいたい約45度、3年落ちだと55度前後になる。55度を超えるともうイエローゾーンレベルとなるので、スタッドレスタイヤの賞味期限は、走行距離にかかわらず3~4年と考えておくべきだ。タイヤの製造年週は、サイドウォールに刻印されているので、それを見て確認しておこう。

国産タイヤだとアルファベット3文字の横に4桁の数字「4023」と記されていたら、23年の第40週=2023年9月の製造という意味だ。

3:プラットフォーム

もうひとつわかりやすいのはプラットフォーム。つまり残り溝の深さだ。スタッドレスタイヤには、いわゆるスリップサインのほかに、残り溝が50%になったことを知らせるプラットフォームがある。

サイドウォールの4カ所に矢印(△印)がついていて、それをたどってトレッド面(接地面)を見ると、プラットフォームにたどり着ける。スタッドレスタイヤは新品時から50%摩耗すると、サイプ(細かな切れ込み)が浅くなり、氷雪路でのグリップ性能が大きく低下してしまう。

プラットフォームが露出したら、スタッドレスタイヤとしての機能はもう期待できない。ただ、その後も夏タイヤとしては、一応スリップサインが出るまでは使用可能。もっとも、スタッドレスタイヤの夏タイヤとしての性能は、トホホなレベルで、まして摩耗したスタッドレスタイヤなど、性能的には期待できるものではないので、プラットフォームまで摩耗したスタッドレスタイヤは、潔く交換すること。

4:ひび割れ・偏摩耗

最後は、ひび割れや偏摩耗。これは使い方や保管方法が大きく影響する。

例えば空気圧不足で走り続けたり、過積載気味だったり、オゾンや紫外線の影響を受けやすい場所に駐車、保管していたりすると、溝はまだたっぷり残っていたとしても、ゴムの表面にひびが入ったり、偏摩耗することがある。

こうしたタイヤを使い続けると、何かの拍子にバーストしたりするリスクもあるので、ひび割れや偏摩耗が見つかったら、なるべく早く買い替えたほうがいい。

雪上・氷上では、タイヤの性能の差が顕著に表れるので、スタッドレスタイヤはケチケチせずに、つねにコンディションのいいタイヤを装着すること。そして空気圧など、基本的な保守点検も夏タイヤ以上にしっかりやっておくことが肝要だ。

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