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「ディアブロ」のシャシーとエンジンを使ったヴェクター「M12」が3800万円ならお買い得!? スハルト大統領の息子の野望で散っていったスーパーカーとは

「ディアブロ」のシャシーとエンジンを使ったヴェクター「M12」が3800万円ならお買い得!? スハルト大統領の息子の野望で散っていったスーパーカーとは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

マーケット評価はいかに?

この8月に開催されたRMサザビーズ「Monterey 2024」オークションには、ヴェクターの波乱万丈な歴史を彩る2台のプロトタイプと2台の生産モデル、合わせて4台が出品された。

1993 Vector Avtech WX-3R Roadster Prototype

ヴェクター史上唯一のオープンモデルとなるはずだったWX-3Rロードスターも、このプロトタイプ1台のみが現存するという。

1993年のジュネーヴ・ショーに、前年同じ会場でデビューしていたアヴテック WX-3R プロトタイプとともに出展され、当時はヴェクター社の広告や自動車専門誌にも多数掲載された。メガテックに会社を奪われたのちは、創業者のジェリー・ウィーガートがクーペ・プロトタイプとともに引き取り、2019年まで所有していたことが判明している。

またこちらもクーペと同様、2019年から2021年にかけて、11万6000ドルを超える費用を投じたメカニカルパートのレストア作業を受けている。WX-3R クーペ プロトタイプと同額にあたる、130万ドル~150万ドル(邦貨換算約1億8700万円~約2億1600万円)のエスティメートが設定されたものの、こちらも流札に終わってしまった。

1996 Vector M12

メガテック傘下で開発された唯一のモデルであるM12は、総生産台数わずか17台で、そのうち実質的な市販モデルとされたのはわずか14台だった。今回のオークション出品車は5番目に製造されたもので、この独特のパープル色で塗装された唯一のものである。

公式オークションカタログ作成時の走行距離はわずか6151マイル(約9840km)というわずかなもの。さらに2023年11月には、フロリダ州タンパの「ヨーロピアン・エキゾチック・センター」で点検と整備を受けたとの由である。

RMサザビーズと「The Turbollection」は、40万ドル~60万ドル(邦貨換算約5920万円〜8800万円)というほかのヴェクターたちよりも明らかに安価なエスティメートを設定していた。

そして、今回オークションに出品された4台のヴェクターの中では唯一落札に至ったものの、そのハンマープライスはエスティメートを大きく割り込む24万6400 ドル。つまり日本円に換算すると、約3800万円で競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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