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還暦超えても軽カーレースに夢中! 新車スズキ「アルト」で参戦してはや2年…東北660耐久レース」の年間王者を目指すチューニング内容とは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • チームメンバー
  • スズキ アルト:左右の重量バランスを是正するため、助手席の足元に取り付けた8kgのウエイト。重心が低くなってロールを抑える効果も無視できない
  • スズキ アルト:夏の耐久レースに向けた対策。エアダクトを引いて外部のフレッシュな空気をドライバーに当てる。レイアウトにも色々とノウハウがある
  • スズキ アルト:トランスミッションはAGS。少しコツはいるものの、速さはMTとまったく遜色ないレベルだ。チームメイトである椎名選手のマイカーもAGSだ
  • スズキ アルト:開幕戦の前にブローしたエンジンは耐久レースのチームメイトであり、HA36カップではライバルとなる椎名栄一郎選手がオーバーホールした
  • スズキ アルト:ECUはHA36カップの上位陣が愛用しているARYレーシング製。パワーやトルクの向上はもちろん、燃費がよく耐久レースでも強い武器だ
  • スズキ アルト:社外のコイルを使うチームも多いが、線が細いためさほど効果は大きくないと判断。トラブルを起こす可能性が低い純正品を選択した
  • スズキ アルト:バッテリーは軽くすること以上に、必要な電力を供給できるかが重要。メガライフバッテリー製は高性能なうえ約5kgの軽量化を実現する
  • スズキ アルト:フロントまわりの軽量化はタイヤにも優しい一石二鳥のメニュー。ボンネットをカーボン製に交換しエアロキャッチで確実に固定する
  • スズキ アルト:ドライバーごとのタイム差が少ないのも、耐久レースで勝つには欠かせない要素だ。最終戦も同じく高松選手、鹿島選手、椎名選手の布陣だろうか
  • スズキ アルト:3位でチェッカーを受け、シリーズランキングは首位をキープ。2位とは1ポイント差で3位とも4ポイント差という超が付くレベルの接戦だ
  • スズキ アルト:予選タイムは1分7秒157でクラス4位。ひとつ上のチームとはわずか0.019秒の僅差だった。決勝ではどこまで順位を上げられるか?

熟練テクニックを駆使して王者を目指す!

2024年7月14日に開催された軽自動車だけのレース「東北660耐久レース」の第2戦。エントリーが最多だった3クラスで3位に食い込んだのは、還暦オーバーの熟練ドライバー率いる「VAP Racing」でした。実力派揃いのチームメンバーを紹介します。

輸入車でサーキット走行を楽しんでいた

マシンのオーナーである高松正雄選手は今年で65歳、AGSミッションのHA36S型スズキ「アルト」をドライブする。以前から輸入車でのサーキット走行を趣味としてはいたが、2022年に「東北660 HA36カップ」が始まるとの話を聞き、念願だったレース参戦を実現するべくベース車を購入した。当初は中古車を探したものの価格が意外に高く、思い切って新車からの製作を決意したという。

目標である東北660 HA36カップに参加したのは当然として、軽自動車にハマり同じ車両で走れる「東北660選手権」の4クラス、さらに「東北660耐久レース」までフル参戦を果たすことになった。

2024年3月24日の開幕戦は今回と同じドライバー陣でエントリーしていたが、サーキットへ向かっている最中にトラブルが発生しエンジンブロー。急遽ドライバーのひとりで同じくHA36カップに参戦する、椎名栄一郎選手のマシンに変更して見事3位をゲットした。

今回はその椎名選手がオーバーホールしたエンジンを搭載し、シリーズで最長の5時間を制するべく乗り込んできた。耐久レースだからといってとくに仕様を変えることはなく、「ARYレーシング」のチューニングECUや使うタイヤなども同じ。HA36カップは最低重量の規定があるため、軽量化できるのはボンネットやバッテリーくらいだ。

それよりもボディ全体の重量バランスが大切と考えており、助手席の足もとにはあえて8kgのウエイトを装着している。もともとが軽量でハイトも高いHA36だけに、無闇に軽くしては横転のリスクが増す。重量バランスの是正だけではなく重心を下げる効果もあり、ARYレーシングでは専用のウエイトを販売しているほどだ。

マシンメイクが決まり好タイムを記録!

それらの策が功を奏したのとニューエンジンの恩恵もあり、朝の練習走行では総合4番手/クラス2番手のタイムを記録。予選では4番手とポジションを落とすものの、ポールポジションとは約0.5秒という僅差だった。

決勝はオーナーである高松選手がスタートを担当し、熟練の走りでコンスタントに周回を重ねていく。チームを組む椎名選手と鹿島慎平選手も腕は確かだし、エンジンを含め車両トラブルもなく絶好調。セーフティカーの介入や給油でもポジションを落とさず、逆にひとつ上げ開幕戦と同じ3位でチェッカーを受けた。

チェッカーを受けるシーン

2位とはわずか1ラップ差で1位とも2ラップ差。痛恨のエンジンブローから仕切り直しの1戦目としては、今後さらなる躍進が期待できる上々の結果といえるだろう。なお現時点でのシリーズランキングは堂々のトップに君臨。11月24日の最終戦でもポイントを稼ぎチャンピオン獲得、そして2024年シーズン初となる表彰台のてっぺんを目指したい!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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