ポルシェ911 タイプ930生誕50周年を祝う全国規模のオフ会
ポルシェ「911」の2代目となる「タイプ930」が生産されたのは1974年~1989年。ということは、2024年はタイプ930の生誕50周年となります。それを記念したオフ会イベントとして、10月6日(日)に愛知県蒲郡市のラグーナテンボスで開催されたのが「PORSCHE 930 50th Reunion in JAPAN」。なんと140台もの930が集結した会場の様子をレポートします。
140台の「930」が愛知県・ラグーナテンボスに集結
今回のイベント「PORSCHE 930 50th Reunion in JAPAN」の主催者は、33年間、タイプ930のポルシェ「911カレラ」に乗り続ける“ひろぽん”さん。今から10年前、ポルシェ専門ショップ「フロッシュ」の協力を得て開催した生誕40周年イベントには93台のタイプ930が集まったそうだ。
そして今回、タイプ930オーナーズクラブ「BBOC」(ビッグバンパーオーナーズクラブ)とともに開催した生誕50周年イベントでは、InstagramやFacebookなどSNSからの呼びかけに応じて、140台のタイプ930がラグーナテンボスの駐車場を埋め尽くした。
生産が終了して30年以上が経つタイプ930は、今なお絶大な人気を誇っている。タイプ930が現役の1970年代は第一次スーパーカーブームのまっただ中。当時の少年が大人になって憧れのタイプ930を購入し、モデルチェンジ後のポルシェ911には見向きもせずにタイプ930に乗り続けている。またハイスペックで快適な現行の水冷エンジンではなく、荒々しい空冷エンジンのタイプ930を望むユーザーは多いのだ。
近年の相場の高騰には悲喜こもごも
イベントの閉会式で行われた表彰式では、タイプ930に長く乗り続けた人へのロングホールディング賞(1位は45年間)、もっとも遠方から参加した人へのロングディスタンス賞(1位は670km)、もっとも走行距離が多いオーナーへのハイマイレージ賞(1位は43.3万km)、参加者全員による人気投票(1位は1974年式カレラ)、そして“ひろぽん”さんが選ぶ特別賞(女性オーナー3名)が授与された。そして抽選によるプレゼント大会が行われ、生誕50周年は充実したイベントとなった。
このようなタイプ930のイベントは、BBOC主催のオフ会やツーリング、サーキット走行会など小規模ながら毎年各地で行われている。そして“ひろぽん”さんが次回のビッグイベントとして計画しているのは、生誕55周年だ。
* * *
ここ数年、空冷ポルシェがプレミアム化して取り引き価格が高騰している。タイプ930を愛するユーザーにとっては嬉しいやら、悲しいやら、複雑な気持ちになっているようだ。この状況を“ひろぽん”さんに聞いてみると、こんな声が返ってきた。
「価格が高騰したことでボロボロになったタイプ930でも廃車になることなくリフレッシュされて生存し続けるのは嬉しいことです。ただ、タイプ930に乗りたいユーザーが気軽に手を出せなくなってきたのはちょっと残念ですね」