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トヨタ ガズー レーシングがF1チームと業務提携を発表! 目的は人材育成…ドライバーだけでなくエンジニアとメカニックも派遣し、市販車にフィードバック

左からMoneyGram Haas F1 Teamチーム代表の小松礼雄さん、豊田章男会長、GAZOO Racing Company プレジデントの高橋智也さん

MoneyGram Haas F1 Teamと業務提携

例年10月の連休は鈴鹿でF1日本GPが開催されていましたが、2024年から開催時期は秋から春に移行しました。さらに第18戦シンガポールGP(2024年9月22日)と第19戦アメリカGP(2024年10月20日)の間には、約1ヶ月の秋休み(?)があり、F1ファンとしては刺激に飢えていました。そんなタイミングのなか、興味深い情報が飛び込んできたのでお伝えしましょう。

市販車に反映できる人材の育成を目指す

TGR(トヨタ ガズー レーシング)は、MoneyGram Haas F1 Teamと車両開発分野などにおいて協力関係を結ぶことに合意し、基本合意書を締結した。

ハースF1チームといえば今シーズン、エンジニア出身の小松礼雄がチーム代表に就任。大胆な戦略も駆使し、RBホンダに次ぐ、コンストラクターランキング7位(第18戦終了時点)で、トップ4強に迫ろうとしているチームだ。

トヨタはこの提携が決まったことでハースF1チームに、TGRの育成ドライバー、エンジニア、メカニックを派遣し、テスト走行に参加させるとのこと。ドライバーはF1での走行経験を積み、エンジニア・メカニックは走行データなどの膨大なデータの解析ノウハウを学ぶのが目的となる。

そしてTGR側がF1の現場で学ぶだけでなく、エンジニアとメカニックは、ハースのF1マシンの空力開発にも参画。最先端のシミュレーション、カーボン部品の設計・製造にかかわることで、そのテクノロジーやノウハウを市販車に反映できる人材の育成を目指す。

現在、日本人のF1ドライバーは角田裕毅ただ1人だが、ハースの小松代表をはじめ、マクラーレンの今井弘、レッドブルホンダの吉野誠など、F1チームで働く日本人エンジニア、メカニック、スタッフなどは増えてきている。

そこに今回の提携でTGRの育成ドライバー、エンジニア、メカニックが加わることで、F1関係者の日本人人口が増えることはうれしい限りである。

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TGRの育成ドライバーは、この取り組みからF1のレギュラードライバーへの昇格を目指してほしい。さらにエンジニア、メカニックには、F1の現場でしか学べない「パイプライン」を身につけて、F1やその他のモータースポーツ カテゴリーの第一線で活躍したり、モータースポーツを起点としたよりよいクルマづくりを加速させていくことを期待したい(パイプライン=Pipeline レース中の走行データなどの膨大なデータを多拠点で共有し、即座に解析、レースの戦略立案へタイムリーに活用するノウハウやインフラのこと)。

またこの提携で、トヨタが2009年以来、F1と直接かかわるようになったというのも、日本のモータースポーツ界にとって、ポジティブなニュースだ。

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