インテリアは無限のビスポークオーダーが可能
ボディは専用のカーボン・ファイバー製モノコック「マクラーレン・エアロセル」と、「マクラーレン・アンへドラルドア」を採用する。F1から取り入れたフロントサスペンションはエアロセルに直接マウントされ、フロントアームは外部から視認可能である。主要コンポーネントは3Dプリントとチタン製コンポーネントの活用で最大限に軽量化されている。
インテリアは専用インテリア素材をはじめ、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)に揃うほぼ無限の選択肢でビスポークオーダーが可能である。生産台数は限定399台で価格は200万ポンド、つまり約3億9000万円となるがすでに全台数売約済みである。
W1のEモジュールはパワーとトルクを押し上げて、V8の極めて高い出力にふさわしい加速とレスポンスを実現するよう開発されているが、バッテリー容量は約1.4kWhしかなくEVとしての走行は2kmのみ。EV走行を増やしてCO2の排出を減らすという目的ではなく、あくまでもパフォーマンスを最大化するためのものである。このバッテリーはEモジュールに電力を供給するほかEモーターに8速デュアルクラッチ・トランスミッションのリバースギアとして、またエンジン始動のために使われるという。
約3億9000万円のクルマが発表前にすでに399台完売しているということはにわかに信じがたいが、ファンにとってはそれほどの魅力をもつモデルなのであろう。
AMWノミカタ
バブル末期に登場したF1の新車価格は1億円ほど。生産台数は64台。現在のオークションでは20億円を超えるような超レアで高価な存在となった。P1は1億円を切る新車価格で、当時からバーゲンプライスと言われていた。生産台数は予定では375台であった。
今回のW1は3億9000万円〜の新車価格で399台限定。生産台数はこの手のハイパーカーでは、その価値を保つ上ではギリギリマックスといったところか。F1はモータースポーツシーンでも活躍したことと生産台数の少なさから、現在のような高値となるのは不思議ではない。P1も昨今では、新車価格以上のハンマープライスとなっているが、そもそも新車価格がこの手のハイパーカーの中では安かったということもあるだろう。今後、W1がどのような価値を示すようになるのか、その動向も気になるところだ。