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人生初のTOYO TIRESは驚きの連続! サーキット初心者から上級者まで満足できます!!【チューナーが試す最新タイヤ】

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: 高原義卓(TAKAHARA Yoshitaka)

  • ベースは2024年モデルのトラックエデション エンジニアードbyNISMO。フロントリップ/サイドスカート/GTウイングとエアロ変更は最小限
  • 日産R35 GT-R tuned byフェニックスパワー:本体は未着手だが、周辺の補器類の変更とECMのチューニングでブーストアップながらノーマル+100psの670psを誇る。長年のノウハウの結晶だ
  • 2024年5月25日に岡山国際サーキットで行われたテストでは1000psのフルチューン(写真手前)とブーストアップ仕様の2台で確認を行った
  • PROXES R888R:国内向けは285/35R20が最大サイズだが、海外には315/30R20もラインアップ。タイムアタックシーンでの活躍にも期待!
  • PROXES R888R:よりハイグリップなR888R Driftと通常のR888Rの識別点はサイドウォールに小さく入ったDRIFTのロゴのみ。こちらは285/35R20までとなる
  • PROXES R888R:Sタイヤのように溝は少ないが、ラジアルスポーツに分類。ブロックが大きいのでロードノイズは大きめだが、乗り心地は悪くない
  • PROXES R888R:1000psのマシンで連続周回した後のタイヤ。表面は剥離することもなく、キレイに摩耗。タイムの落ち込みが少ないのはこの特性も大きく影響しているはず
  • 「テストを重ね、タイヤへの理解が深まったことでタイヤの特性も見えてきました。11月、12月のタイムアタックに向けてさらなる改良が入るということなので、今から楽しみです」とフェニックスパワーの横山代表
  • PROXES R888R:ステアリングを通して路面を捉えている感覚がダイレクトに伝わるので、思い切って踏んでも不安がないのもメリット
  • 日産R35 GT-R tuned byフェニックスパワー:これまで使っていたタイヤと特性が全く異なった。タイヤに合わせたセットアップを行っただけで、より悪条件下でタイムは約3秒短縮。伸びしろは残されている
  • 日産R35 GT-R tuned byフェニックスパワー:排気系はTRUSTのサクションパイプ/キャタライザー、RH9オリジナルのチタンマフラーという組み合わせ。フロントフェンダーはトップシークレット

欧州耐久レースで得たノウハウが活かされているのはPROXES Sport2だけじゃない!

「オープンカントリー」「トランパス」など人気のタイヤブランドを抱えるTOYO TIRESが、現在力を入れているのはグローバル・フラッグシップタイヤの「PROXES」です。一般にはプレミアムスポーツタイヤである「PROXES Sport2」がもっとも身近な存在ですが、さらに上を行くタイヤを紹介します。

2016年から進化を続けるリアルスポーツラジアル「R888R」の実力は?

これまで3回にわたって、全国有名チューナー/ショップにTOYO TIRESのプレミアムスポーツタイヤ「PROXES Sport2」の魅力について語ってもらった。3社共通のコメントは「スポーツタイヤに求められるあらゆる性能をバランスよく引き出しているオールラウンダーなモデル」ということだ。

あらゆる路面状況で懐が深く、ストリートからサーキットまで楽に安全に走れる特性は、仮に性能チャートがあるなら、すべての評価軸で80点。何でもそつなくこなす優等生的で、初心者から上級者までは幅広い層にフィットする。

そのバックボーンにあるのは、2020年から参戦を続ける欧州のモータースポーツ活動であることは何度もお伝えしてきた。その極限のフィールドで得られた技術やデータなどがPROXES Sport2の血肉となり、トータルバランスに優れたタイヤを生み出すことができた。まさに“Race to Road”だ。

そこでフィードバックされた技術は、PROXES Sport2のみならず、同じ2023年初頭にラインアップされたPROXES Comfort IIs、そして他のPROXES商品にも注がれている。フラッグシップスポーツタイヤの「PROXES R888R」はその代表的なモデルだ。

技術やノウハウの出し惜しみなし、さらなる高みを目指す!

PROXES R888Rは走りを追求したリアルスポーツラジアルで、とくにドリフト競技で勝つためにアップデートを繰り返し、長年にわたり優秀な戦績を残してきた。とはいえ、デビューは2016年で、すでに8年が経過している。同年代に登場した他メーカーのスポーツタイヤはほぼモデルチェンジ済みであり、技術的な進歩が著しいタイヤの世界において、条件的に厳しい状況だ。

ただし、開発陣は諦めることなく、現在も改良を継続。欧州の耐久レース参戦による新たな知見やノウハウはそのために必要不可欠。トレッドパターンこそ変わらないが、細部にわたってチューニングが施されている。

飽くなき探求はそれだけにとどまらず、全国プロショップの集合団体である「CLUB RH9」とタッグを組み、2024年末に2回行われるタイムアタックイベントのR35「GT-R」クラスにPROXES R888Rのハイパフォーマンス仕様「R888R Drift」を供給することが決定。このイベントを通じてその実力を一般ユーザーにアピールするとともに、1000psを超えるモンスターマシンによる極限のタイムアタックを通じて、得られるデータを開発にフィードバックするのが目的だ。初の試みのため、すでに岡山国際サーキットで2度の事前テストを行い、本番までに改良できる箇所が残されていないか、評価/解析を行っている最中である。

インフォメーション性は高く、滑り出しも穏やかな特性はPROXES Sport2と共通

2度のテストへ車両提供したのが、R35 GT-Rチューニングで名を馳せる「フェニックスパワー」。代表の横山耕治さんはテストを終え、PROXES R888Rをどう評価したのだろうか。

「1000ps超えのフルチューン車両と比較的ライトなブーストアップ仕様の2台を持ち込みました。今回が人生初めてのTOYO TIRESの装着で、今年5月の走行テストでは、事前データもなく、ぶっつけ本番の試走となりましたが、1回目からドライバーの評価も高く、想定した以上のタイムが出たことに驚きました」

2回目の走行では、1000ps仕様は現場でできる限りの調整を行ってタイムアタックを実施。ブーストアップ仕様は連続周回した際のラップタイムや特性変化の確認を行った。当日のベストラップは1000ps仕様が1分34秒台、ブーストアップ仕様は1分39秒台。ほぼセットアップなし、外気温30℃を軽く超える条件下ではかなり優秀なタイムを記録している。

特性としてはサイドウォールが柔らかめで、硬めた足まわりのセットでタイヤを潰しながら走らせても、インフォメーション性は高く、限界を超えても滑り出しは穏やか。この味付けはPROXES Sport2と共通している。

連続周回でのラップタイムの落ち込みは少ない

「ピークグリップの短さはどのスポーツラジアルもほぼ同じですが、R888Rはその後のタイムの落ち込みが少ないのも特徴のひとつです。連続周回してもタイヤ表面の剥離がほぼ見られず、摩耗自体も最小限に抑えられていることが、この特性を引き出しているのだと思います。サーキット走行を長く楽しみたいオーナーにはありがたいですね」

大きめのブロックパターンのため、ロードノイズは大きめだが、乗り心地は数あるトップスポーツタイヤのなかでも秀逸で、一般道でも十分に使える寛容性はある。ステアリングを通して路面を捉えている感覚がダイレクトに伝わるので、思い切って踏んでも不安がないのもメリットだ。

「7月に行った2度目のテストでは、タイヤの特性に合わせたセットアップを施した結果、ブーストアップ仕様で1分36秒台まで短縮することができました。タイヤについてより理解が深まれば、これまで使っていたスポーツラジアルと遜色ないタイムを出せる感触はあります。1000psを受け止めるだけのグリップ力があり、ドライバーの技量を受け止める懐の深さも持ち合わせるPROXES R888Rは走行会派にお勧めできるタイヤですね」

と太鼓判を押す。

* * *

ちなみにCLUB RH9とTOYO TIRESによるタイムアタックは2024年11月20日の筑波サーキットと12月5日の鈴鹿サーキットの2回開催。ぜひ各会場に足を運び、PROXES R888R Driftの実力をその目で確かめていただきたい!

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