ホイールには「剛性最適化」という技術を投入
そして2015年には軽オープンカー、ホンダ「S660」用のモデューロホイールMR-RO1を発売。このホイールは、「軽量・高剛性ほど良い」という常識を疑って開発。ホイールもサスペンションの一部という設計思想に基づき、「しなり」を利用した剛性バランスの最適化を実現。これによりタイヤの接地面圧を高め、タイヤのパフォーマンスを最大化するというものだ。
「実効空力」を活かしたエアロパーツ、そして、しなりを活かした「剛性バランスの最適化」を実現したホイールを装着された新型車がショールームに展示された。
マイナーチェンジを行い「RS」というスポーティグレードを設定したシビックには、モデューロの30年のなかで培ってきた「実効空力」のノウハウをフィードバックし、土屋圭市氏とともに、走り込んで開発したシェブロン形状を採用したテールゲートスポイラー(ウイングタイプ)を装着。
そして、コンパクトSUVの人気モデル、「ヴェゼル e:HEV」には、「剛性最適化」技術を投入して開発されたアルミホイールMS-050と、「実効空力」を意識した造形のテールゲートスポイラーが装着されていた。
トークショーでは、テキストに起こすことのできないような爆弾発言もあったが、登壇者は揃って、
「納得するまで走り込んだし、納得できるものだけを商品化した。ボツとなった商品も多かった」
と開発の苦労話を明かしてくれた。
こういったパーツは新型車が中心になりがちだが、新製品のヴェゼルとシビック用のパーツはマイナーチェンジ前のモデルにも装着可能で、アップデートも可能というのが嬉しいところだ。
囲み取材で土屋圭市氏からは、次のような言葉もあった。
「できることならば中古車で販売している生産終了車をアップデートできるようなパーツ展開ができるのが理想」
トヨタや日産が旧車のパーツを再販しているなか、ホンダにも、シビックタイプRやS2000といった多くのファンたちに長く愛されているクルマが多く存在する。こういったオーナーがもっと長くクルマに乗れるような施策を講じてもらいたいと思う。