商品化に期待が高まる!
海外からの50社を含む402の企業と団体が参加した「H.C.R.2024 第51回 国際福祉機器展&フォーラム」が2024年10月2日(水) ~ 4日(金)の3日間、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催されました。高齢者、障がい者の自立促進と社会参加のための福祉機器、リハビリテーション機器や介護機器・用品などの展示会ですが、今回もトヨタ、日産、マツダ、スズキといった自動車メーカー各社が出展していました。
JUUが早くもバリエーション展開?
2022年の同展で衝撃的なデビューをしたトヨタの「JUU」という名の車いすは、階段を上ることができる。もっと言ってしまえばどんなところにでも上っていける車いす(開発者によると、技術的には40度まで上れるようにしたいとか)である。そのデビュー時にも「アルファード」のバックドアから車両に乗り込むパフォーマンスを見せていた。
21インチの大型のメインホイールにオフロードタイヤを装着し、その後方内側には小径のオムニホイールを2輪装着。さらに車体の後方に格納できるシッポのような補助バーが装備されており、階段を上るような際にこのシッポが支えることで後方に転倒することなく上っていけるという車いすである。
2023年のH.C.R.展示会では、その進化モデルとして、アームレストに取り付けたカメラで周囲を確認しながら自動でクルマから降りて運転席までやってくるというデモンストレーションも行っていた。
3年目となる今回の展示会でどのように進化する姿が見られるのかと期待していたが、そのモデルの進化バージョンではなく、バリエーション展開ともいえる2機種が新たに登場していた。
そのひとつが「PROTO」というサブネームが与えられたモデルで、オフロード性能が上がったコンセプトモデルへと進化。これまではヤマハのオフロードバイクである「セロー」のフロントタイヤを装着していたが、そのフロントタイヤよりもタイヤ幅が広いリアタイヤを装着するのが特徴だ。
アームレストが円筒状になっており、その前方にはヘッドライトや方向指示器になるライトがあり、筒の中には補助バッテリーを搭載することができる、というものとなっている。リア側に回るとサスペンションが装着されているので、その走破性も期待できるものとなるが、後輪のオムニホイールは不採用。シッポは若干短めだが、アームレストの先端両側にしっかりめのジョイスティックタイプのコントローラーも用意され、アグレッシブに走行ができるのかもしれない。
ふた回りほどコンパクトになった「LITE」
もうひとつは「LITE」である。その名の通り、「PROTO」よりふた回りほどコンパクトになった、現実的なサイズ感のモデルとなっているのが特徴だ。こちらは2023年以前に登場したコンセプトモデル同様に、方向転換も可能なオムニホイールを後輪に使用。ちょっとしたお出かけや室内での使用も考慮した感じだ。
介助なしで、階段を上り下りや凹凸路を走行できる車いす型モビリティ。まずはなによりも早く商品化されることに期待したい。