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ブガッティ新型「トゥールビヨン」の内部を全公開!『ヴェイロン/シロン」から全く新しくなったプラットフォームとV16エンジンの搭載位置は?

ブガッティ トゥールビヨン:V16気筒エンジンと3つの電気モーターを組み合わせたパワートレインは、エンジニアリングとパッケージングの融合である

新型トゥールビヨンの新しいプラットフォームについてキーパーソンが語る

ブガッティはブランドを作り上げるキーパーソンへのインタビュー形式のドキュメンタリームービーを定期的に公開しています。その第4弾となる最新エピソードが公開され、CTOのエミリオ・セルボ氏とチーフ車両エンジニアのポール・バーナム氏が「トゥールビヨン」の新しいプラットフォームについて語っています。この映像は、ブガッティ公式YouTubeチャンネルで視聴することができます。

各コンポーネンツの配置場所にこだわる理由とは

ブガッティの「ヴェイロン」と「シロン」のプラットフォームは20年にわたりブガッティの屋台骨を形成してきたが、「トゥールビヨン」の開発はまったく新しいアーキテクチャーによって構成された。トゥールビヨンのもっとも画期的な点のひとつである自然吸気V16気筒エンジンと3つの電気モーターを組み合わせたパワートレインは、エンジニアリングとパッケージングの融合である。

フロントには合計8つのラジエターを装備し、そのうち5つが戦略的に配置されている。外側の2つのラジエターはエンジンに直接空気を送り、中央のラジエターはブガッティのアイコンである馬蹄形グリルからの気流を究極の効率でキャビンと電装品を冷却するよう設計されている。

ラゲッジコンパートメントの後方には、250kWの電気モーター2基で構成される電動アクスルがシームレスに統合されている。この配置は四輪駆動機能を実現するだけでなくトルクベクタリングを可能にし、必要に応じてどちらかの前輪にトルクを振り向けることで、パフォーマンスとハンドリングを劇的に向上させる。

新しいプラットフォームはブガッティの新たな章を示すもの

この新しいプラットフォームの核となるのは、中央に収納されたT字型のバッテリーで最大出力800psの電力を供給し、モノコックの構造部分として機能する。中央に配置された24kWhのバッテリーユニットは、電気モードで60km以上の航続距離を可能にする。また可動式のペダルボックスとステアリングホイールを備えた固定式の着座位置を実現し、車高と重量の両方を最小限に抑えている。

エンジンは全長が非常に長いため、エンジニアはドライバーに近づける新しいパッケージング手法を採用する必要があった。そこで燃料タンクを横に移設することでホイールベースと全長をコントロールしながら、室内空間を最大化することに成功した。巨大なディフューザーに一体化されたクラッシュ構造はリアビームの必要性を完全に無くし、さらなる重量最適化を実現している。

トゥールビヨンは単なるハイパースポーツカーではなく、ブガッティの卓越性へのコミットメントが未来を導き続けるという意思表示である。トゥールビヨンに搭載される新しいプラットフォームは、ブガッティにとって新たな章を示すものであり、かつてないレベルの最適化とパフォーマンスによって新しい基準を定義する。

【動画】A NEW ERA: Foundation of a new Chapter

AMWノミカタ

第4回となるエピソードでは、CTOのエミリオ・セルボ氏とチーフ車両エンジニアのポール・バーナム氏が、トゥールビヨンの背後にある新しいプラットフォームについて語っている。百聞は一見にしかずで、ぜひこの最新動画を観ていただきたい。普段目にすることのないモノコックボディの構造や、エアロダイナミクスの考え、可動式のペダルボックスや、中央のコントロール部分が固定されたステアリングホイールの動き、そしてそれぞれのパーツの美しさなど、たくさんの発見と驚きがある。

唯一無二の美しさをもつクルマを作り上げることはブガッティの大事な考えのひとつであるが、その美しさには機能的な意味があることがこの動画を観ることで理解できる。まさにアートとエンジニアリングの融合した次世代の自動車の芸術作品がこのトゥールビヨンともいえる。

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