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昭和色が強い三菱「ギャランGTO GSR」をプラモ感覚でモディファイ! いざとなればすぐに純正に戻せる仕様に、旧車愛が伝わってきます

三菱が生んだ本格スポーツクーペ

東京都在住のK嶋さんは、三菱「ギャランGTO GSR」の魅力に惹かれてしまったひとり。当時のライバル車トヨタ「セリカ」と比べても10分の1の生産台数しかなかったGTOは、今となってはとても希少なスポーツクーペです。K嶋さんは、そんな貴重なモデルをベースに他人と被らない仕様としてモディファイを楽しんでいます。

さらなるポテンシャルを与えることに成功

1969年に開催された東京モーターショーで三菱のブースに「GTX-1」と呼ばれるスポーツクーペが展示された。これが世に初めて登場した「ギャランGTO」のプロトタイプとして参考出品されたモデルだった。ギャランGTOが正式にデビューしたのは、その翌年の1970年11月である。ボディは「ギャラン ハードトップ」をベースに2ドアクーペモデルのファストバックスタイルとして登場。テールが跳ね上がったダックテールを備えたことで、「ヒップアップクーペ」とも呼ばれた。

エンジンは初代モデルが4気筒1600ccソレックスのダブルチョークを備えた125psの4G32型サターンエンジンを搭載。三菱の乗用車では最初のDOHCモデルとしても話題となった。1973年のマイナーチェンジでは2000ccの4G52型アストロンエンジンを搭載してGTO 2000へと進化。

さらに、1975年式にはフラッグシップモデル「GSR」に2バレルキャブを2基搭載した2000ccの4G52型4気筒エンジン搭載モデルが登場。最高出力125psを発揮し、最高速度は190km/hに達した。0-400m加速も16.5秒で駆け抜け、ハイポテンシャルを謳い文句に、GTOの名を歴史に刻み込んだ。

オリジナルらしさを残しつつリメイク

東京都在住のK嶋さんは、そんなギャランGTO GSRの魅力に惹かれてしまったひとり。購入したのは今から10年ほど前で、鋭角的なボンネット先端のラインの下に当時アメリカで人気が高かったポンティアック「グランプリ」に似せたマスク、ボンネット上にはエアスクープを装着させたGTOならではのカッコよさに魅せられてしまったと話す。

クルマをイジることが大好きなK嶋さんは、ギャランGTO GSRを昭和らしくリメイク。その感覚は昭和生まれが幼少期にプラモデルを作って楽しんでいたように、オーバーフェンダー、グリルレス、レーシングスポイラーなどのパーツを追加したモディファイを楽しむ。

いわゆる街道レーサー仕様だが、オリジナルのGTOらしさを残している点がK嶋さんのこだわり。それを示すように、ボディカラーは純正オレンジを採用。ボンネットはFRP製に交換しているが、お気に入りのエアスクープはしっかり移植している。

エンジンもかなりイジっているが、これについては企業秘密。マフラーは湘南サンクルーズ製で、ソレックスキャブはφ44をセット。それ以外にエンジンルームには知る人ぞ知るウナス製ミュージックホーンの8連ラッパを装着。ちなみに曲は「結婚行進曲」を奏でるように作り込んでいる。

純正スタイルに戻せるようにカスタム

インテリアのインパネは、ドライバー側に反る形のオーバーヘッドコンソールを採用。スイッチ類は純正のままだが時計などを取り外し、そこにラムコ製の水温計と燃圧計をセットして万が一のトラブルに備えている。また、純正シートの傷みが激しかったので、1990年代に流行ったブリッドのセミバケットシートに交換。おそらくブリックスだと思われる。

このカスタムスタイル、よく見るとオーバーフェンダーやスポイラーを外せば純正スタイルに戻せるように作られている。やりすぎることなく当時感を楽しみつつ、再び純正ストックに戻せるスタイルがK嶋さんのこだわりといえる。

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