マセラティ創業者の孫のために製作された特別モデル
マセラティは、モデナ本社で特別なモデルを2人の特別な顧客に引き渡しました。そのモデルは「MC20 マセラティ・ペル・マセラティ」で、マセラティ創業者エットーレ・マセラティの孫たちの依頼により製作された、唯一無二のクルマです。エットーレは1914年、兄弟のアルフィエリとエルネストとともにこのイタリアブランドを創業しました。
唯一無二のスタイルはフォーリセリエによるもの
マセラティは、創業者の孫から依頼を受けて製作された「MC20 マセラティ・ペル・マセラティ」の納車式を実施したと発表した。このクルマを受け取ったアルベルト・マセラティ氏とエットーレ・マセラティ氏は兄弟であり、創業者の祖父からエンジンへの情熱と夢を実現するための情熱を受け継いだ。この特別なMC20は最大出力621psを誇るV6「ネットゥーノ」エンジンを搭載した魅力的なクーペで、唯一無二のキャラクターを与えるためにパーソナライゼーションプログラムであるフォーリセリエによって洗練されたカスタマイズが施されている。
ボディに施されたブルー・インフィニートは、マセラティのカラーリングの中でもっとも特徴的な色のひとつだ。これにビアンコ・パステッロのダブルストライプが加わることで、よりスポーティな印象を与えている。鮮やかな塗装とレーシングスタイルの仕上げの絶妙なコントラストは、トノカバーに施されたグレー・パステルのトライデントによっていっそう強調される。
エクステリアには、インテリアにも使用されているカーボンファイバーパッケージが採用され、リアフェンダーに「Maserati per Maserati(マセラティ・ペル・マセラティ)」と「Maserati Fuoriserie(マセラティ・フォーリセリエ)」の文字があしらわれる。またサイドバッジにも「マセラティ・ペル・マセラティ」の文字が施され、特別な1台であることを示すこだわりが見られる。足まわりはロッソ(赤)のブレーキキャリパーとグロッシーブラックの20インチホイールを装着する。
納車式には歴代モデルが登場
インテリアは、アルカンターラ素材とカーボンファイバーを組み合わせたステアリングホイールが採用され、ネロ(黒)とブルー・ニューの仕上げがキャビンを飾っている。シートはスポーティでありながらラグジュアリーな環境を提供。ダッシュボードとドアパネルはネロとネロ・ブルー・バッキング、センターサイドのシートはネロとブルー・バッキング、ブルー・ニューで対照的に仕上げられている。
納車には、エットーレ・マセラティの孫と3人のひ孫、そして2018年に他界したエットーレの息子であるカルロ・マセラティ氏の妻が立ち会った。さらにマセラティ・チーフ・テスト・ドライバーのアンドレア・ベルトリーニ氏、60年にわたりマセラティに貢献したエルマンノ・コッツァ氏とともに、その栄誉を称えた。小規模な納車式はまるで家族の再会のようで、3台の名誉ある始祖となるクルマ「A6」「6C34」「6CM」も並べられたのが象徴的であった。
AMWノミカタ
昨年マセラティはV8ツインターボエンジンのモデルの生産を終了した。2030年には100%電動化すると宣言していることからも、現在のV6ネットゥーノエンジンもやがて姿を消すこととなる。
創始者の情熱や思いが受け継がれてきた最後の内燃エンジンをきちんと後世に残したいという考えから、この2台が創業家一族に贈られたのだろう。マセラティが開発したネットゥーノエンジン、美しく力強いイタリアンデザイン、フォーリセリエの特別仕上げとブランドの特色と魅力が詰まったこのモデルはマセラティのアンバサダーとしての人々にその物語を伝えてゆくモデルとなるであろう。