友人に会うためBMWの歴史的施設へ
ドイツ在住で、モータースポーツを中心に取材活動を行う池ノ内みどりさん。愛車のBMW「M240i xDrive カブリオレ」を駆って、取材のために欧州を東奔西走しています。今回は、友人が遊びにいくということで同行した「BMWクラシック」でのイベントに潜入。貴重な展示車両などを見学した模様をレポートします。有名なコメディに登場したクルマもありました!
ミュンヘンの街も新型M5の登場で盛り上がる
新型BMW「M3ツーリング」が発売になってから2年近く経ちますが、その熱気もまだ冷めやらぬまま、新型「M5」や「M5ツーリング」が次々と発表になっています。私はBMWの城下町であるミュンヘンに住んでおり、街で見かける研究開発車両の段階からかなり気になっていました。
新M5の発表にともなってか、ヨーロッパのM5愛好家の皆さんがミュンヘンに大集合したり、BMW Weltでは歴代M5の展示会が開催されたりと、新M5がフォーカスされています。
とある土曜日、遠方に住む友人が「BMWクラシック」で開催されるオープンデーのようなイベントを見にやって来るというので、友人に会うことを目的に自転車で行ってみました。とは言っても自宅からは10分もかからないようなご近所です。
BMWクラシックは旧車の修理やレストアやパーツの販売、車両の購入相談や仲介など、BMWの旧車のことなら何でも相談できる心強い施設です。もともとこの建物はBMWの工場があった地なのですが、隣に並ぶクノールブレムゼ社へ売却していました。ですが、100周年を迎えたのを機にその一部を買い戻してレストアし、BMWグループクラシックとして復活したのです。カフェも併設していますので、私は時おり友人らと利用しています。外部の方は少なく、どちらかというとBMWの社員さんがよく利用しているイメージです。
普段はガイドツアーなどでない限りは入れないコレクションホールも、この日は誰でも入ってOKな日。午前の1番目は混むと思い、お昼ちょっと前に向かいました。体育館ほどの小さなホールには所狭しとBMWの歴史的な車両が保管されています。モーターショー用に作成されたコンセプト車両にレーシングカーといった歴史的な車両が並ぶ光景は壮観です。
BMWが所有している歴史的な車両はもちろんこれだけではなく、このほかに巨大な保管ガレージがあるそうですが、ちょっとしたイベントへの貸し出しやミュージアムの入れ替え用、ガイドツアーで来訪する方々に短時間でBMWの歴史がわかるようにと、ある程度の車両がこちらに展示されているのです。
とても気になったのは、『Mr.ビーン』に出てきたソファーが載った「ミニ」! 実際に撮影で使用された実車のようです。『Mr.ビーン』は英語力が著しく低い私にはぴったりの救世主的な番組でしたので、楽しく観ていたのを思い出しました。
クルマの写真を撮っていたら遠くから「ミドリ~!」と呼ぶ声が。振り向くと、BMWモータースポーツのスタッフの方がご友人やご家族らと一緒にプライベートで訪れていたようで、お互いに近況報告をして「ステキな週末を!」と挨拶をしてお別れしました。
MモデルのイベントでMパフォーマンスモデルオーナーは肩身が狭い!?
この日は土曜日だったのですが、ガラス張りのファクトリーの中は残念ながらお休み。月曜日~土曜日にはファクトリーの外から稀少車が整備されている様子を見ることができるんですよ。ファクトリーは休業でしたが、その代わりにこの日に訪れていた方々のクルマがずらりと並び、ちょっとしたオフ会状態でした。私がとくに気になったのがアルピナ「C2 2.7」のカブリオレ! 赤いカブリオレ好きの私にはたまりません。旧車のオーナー同士が気さくに愛車のことについて話をしている様子はステキですね。
そういえば、以前にミュンヘンやその近郊のBMW正規ディーラーのMオーナーのイベントにお誘いいただき参加したことがあるのですが、恥ずかしながら私は本物のMオーナーではなく、Mモデルよりも安価に購入できるMパフォーマンスモデルを所有していますので、高級車の中でとても気おくれしたことを覚えています。Mパフォーマンスモデルも参加してもいいイベントとはいえ、Mパフォーマンスモデルのオーナーはほとんどおらず、Mモデルの偉大さをひしひしと感じました。
Mモデルオーナーはもちろんですが、そのさらに上をいくインディヴィジュアルのオーナーも多く、全部で数百台が集まったようですが、私の愛車はその中では群を抜いてチープだったのでした……。