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夫婦で参戦する軽カーレース! スズキ「アルト」でグリップ走行に挑戦するドリフター…初年度から表彰台もゲットして楽しんでます

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • スズキ アルト:エアクリーナーは剥き出しタイプも使用できるが、エンジンの熱を吸いにくい純正交換をチョイスする。それに加え遮熱対策も万全だ
  • スズキ アルト:インテークダクトは除草剤の噴霧器やクリアファイルなどを駆使し、ノーマルより延長させると同時に吸気口の面積を拡大させている
  • スズキ アルト:東北660選手権は電子スロットルの車両に限り純正ECUの書き換えが可能。そのためHA36カップの車両がそのまま出場できるのだ
  • スズキ アルト:リアスポイラーは東北660シリーズの協賛企業である、福島県の「レーシングハマー」製を装着。空力はもちろん見た目もカッコいい
  • スズキ アルト:1秒アップの立役者になったレイズ ボルクレーシングCE28。タイヤはHA36カップと同じブリヂストン・ポテンザアドレナリンRE004の165/55R14を履く
  • スズキ アルト:ステアリングのコラムにシンプルで見やすいピボットのタコメーターを装着。また下のデジタル部には水温や吸気温などを表示できる
  • スズキ アルト:シートはこだわりのブリッド・ジーグ2の旧モデル。形状が自分にジャストフィットし乗るクルマすべてに使うほどのお気に入りとか
  • 第3戦では惜しくもコースアウトでリタイヤとなったが、2年目にしてランキング上位の実力は紛れもなく本物。復活の日が楽しみだ
  • 夫婦で仲よくレースを楽しむ小熊さん。新規格NAの東北660選手権と東北660 HA36カップは、同じクルマを使いまわせることもメリットだ
  • スズキ アルト:ドリフトと走り方やセッティングは違うものの、スライドコントロールなど活かせるテクニックは多い。好成績は豊富な経験のおかげ

夫婦でアルトを駆りレースを楽しむ

2022年からスタートした「東北660 HA36カップ」は、軽自動車のレース「東北660」シリーズで初めてとなる、スズキ「アルト」のワンメイクレース。クラスはトランスミッション形式によって3つに分けられ、最大の目玉といえるのが、2ペダルMT「AGS」だけの2クラスです。AT限定免許で参戦できるハードルの低さとMTと遜色ない速さにハマる人が後を絶たず、今まで軽自動車のモータースポーツと縁がなかったドライバーのエントリーも増えています。そのひとりである、神奈川県のプロショップ「ベアーズ・ファクトリー」を率いる小熊忠之さんを紹介します。

ドリフトとの違いに当初は戸惑った

主な業務としては中~大排気量の日産車を取り扱うことが多く、ドライバーとして積み重ねた経験もドリフトが主だったという、「ベアーズ・ファクトリー」小熊忠之さん。初年度から参戦していた知人の誘いでHA36型スズキ「アルト」のレースマシンを製作し、本人は同じ車両規定を採用する「東北660選手権」の4クラスに、「HA36カップ」は奥様の小熊聖子さんが参戦と、夫婦でレースを楽しんでいる。

小熊夫妻

ドリフトでは大会で輝かしい実績を持つ小熊さんだが、それがゆえに最初はグリップとの違いに苦しんだという。ドライビングをはじめ足まわりやタイヤのセッティング、そして走りの組み立て方まで何もかも違っており、わずか50ps程度のローパワー車もほぼ経験がなかった。

しかしベアーズ・ファクトリーを訪れるユーザーはグリップ派も多く、セッティングや走りの基本は十分すぎるほどわかっていた。さらに、東北660シリーズは「みんなで一緒に速くなろう」という空気感のため、1年も経たないうちにマシンの完成度が高まり、すでに4クラスで3位の表彰台も獲得している。2024年8月に開催された東北660選手権の第3戦では惜しくもリタイヤを喫したが、その前までは4クラスでランキング2位(同ポイントが3名)だった。

こだわったオリジナル車高調が勝利に貢献

チューニングのポイントは足まわり。以前は大手メーカーの製品を使っていたもののフィーリングが合わず、悩んだ結果オリジナル車高調を製作することになったという。とはいっても一般ユーザーに手が届かないような高価格ではなく、10数万円と安価なうえ、ストロークのスピードも細かく設定できる。参戦した当初は苦しんでいたリアのセッティングに関しても、オリジナル車高調の完成でかなりの進化を遂げたとのことだ。

また第3戦からはホイールをレイズ「ボルクレーシングCE28」に変更。スポーツランドSUGOの車検場で車重を計測したところ、ほかは何も変えていないにもかかわらず8kgの軽量化を達成し、2クラスで2番目に軽くなり約1秒のタイムアップに繋がった。

* * *

最後に東北660以外の活動を紹介しておこう。ベアーズ・ファクトリーはC35型日産「ローレル」のデモカーを所有し、毎年3月5日に「35ローレルミーティング」を開催している。近年は栃木県の日光サーキットを会場としており、C35ローレルが主役ながら他車種のクラスもあり、ドリフトだけではなく置き系のユーザーも大歓迎だ。2025年の詳細も年内には発表されるはずなので、気になる人はウェブサイトをチェックしてほしい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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