クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • LIFE
  • フェラーリのスペチアーレ勢揃い! オランダ警察仕様のポルシェ「911」がタルガだった理由は…寄り道したミュージアムは眼福でした【みどり独乙通信】
LIFE
share:

フェラーリのスペチアーレ勢揃い! オランダ警察仕様のポルシェ「911」がタルガだった理由は…寄り道したミュージアムは眼福でした【みどり独乙通信】

投稿日:

TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

  • フェラーリのフォーミュラマシンや歴代市販車が勢揃い
  • ドイツカラーに身を包んだフェラーリ250GT SWB Competizione
  • ニキ・ラウダがドライブしたマシンもあった
  • タルガ・フローリオやミッレ・ミリアなどを走ったマシンも展示
  • 流麗なボディデザインの美しさは健在
  • ル・マン24時間レースを戦ったフェラーリ330 P3/412P
  • ミハエル・シューマッハもドライブしたF1マシン
  • フェラーリF1チームでジャン・トッドが使用したヘッドセット
  • ミハエル・シューマッハのヘルメット
  • フェラーリF1に搭載されていた希少なエンジンも単体で展示
  • 流麗なデザインの市販モデルも展示
  • レースカーと並んで展示されていた市販モデルのフェラーリ
  • クラシックなレーシングカーの姿も
  • ドイツのレーシングドライバー、ハンス・ヘルマンのライセンス
  • 当時のレースリザルトも飾られていた
  • 貴重な資料がぎっしりと展示されていた
  • 大きなタペストリーが掲げられて注目度も高かった
  • オランダ警察仕様のポルシェパトカー
  • 警察官の帽子の高さから、356時代はすべてカブリオレ仕様だったそう。こちらの911はタルガがベース
  • ミュージアムの外はオシャレなモニュメントもあった
  • たまたま見掛けたM3ツーリング集団がまさかの友人グループ! 奇跡的な出会い
  • フェラーリの市販車からレーシングカーまでズラリと並んでいた
  • Nationales Automuseum The Loh Collectionの外観。近代的でオシャレな佇まい

取材に向かう途中で希少なミュージアムに立ち寄り

ドイツ在住で、モータースポーツを中心に取材活動を続ける池ノ内みどりさん。レース以外にも自動車関連の各種イベントも取材しているのですが、とあるイベントに向かう途中に、とあるミュージアムへ立ち寄ることに。そこには希少な展示車両がズラリと並んでいました。内部の様子などをレポートします。

企画展示はフェラーリ! 跳ね馬が勢ぞろい

とあるイベント取材のため、まだ暑さの残るアウトバーンを北に向けて走らせていたときのこと。エアコンの利く車内は快適ではあるのですが、直射日光を受け続けて走るのもなかなかしんどいものですね。寒いのか暑いのか、よくわからなくなってきます。

その日は8月が終わりに近づいていたころ。そろそろ夏休みのバカンスドライバーが減っているかな? と平日の朝に出発したのですが、そんな読みはとても甘く、またもや渋滞に巻き込まれることに。ラジオの交通情報からは、「キャンピングカーが多いのでとくに注意を!」と流れてきました。

私が住むミュンヘンからA9号線を北上してニュルンベルグを経由し、A3号線に乗り換えてヴュルツブルグ方面に北西へ。そこからA45号線を走りどんどん北上します。

A9と日中のA3号線は結構混んでおり、まだまだバカンスシーズン中の今回はかなりの交通量でしたが、工事現場以外のA45号線はとても空いており、2車線ながらかなり走りやすく快適でした。A45号線を初めて走ったのですが、A3号線と途中から平行しており、この空き具合なら今後もこちらを通ろうと思いました。

A45号線の沿線には、友人の勤務するミュージアム「Nationales Automuseum The Loh Collection」があることを思い出し、さっとメールをして寄ってみました。友人は出張中で残念ながらいませんでしたが、同僚の方がご案内してくださってとても感謝!

アウトバーンを降りて、ミュージアムまでの道のりは楽しい田舎のドライブ旅です。私が住む南ドイツにはない木組みの古い家の街並みが、まるでメルヘンの世界のようです。

20分ほど走ってミュージアムに到着。ド田舎の村になんとも立派な建物がそびえ立っています。駐車場には夏休みということもあって多くのクルマが停まっており、平日ですがかなりの来場者がいることがうかがえます。駐車場の前にはカラフルなBMW「M3ツーリング」が並んでいたのですが、BMWの地元であるドイツ国内でもこんなに並んでいる風景はなかなか見かけないので、思わず写真を撮ってしまいました。

ミュージアムに入ってすぐにあるショップが気になりましたが、後のお楽しみに置いておいて……。フェラーリの特別展が開催されているとのことでそのフロアへ行ってみることに。ジャッキー・イクス、ニキ・ラウダ、ミハエル・シューマッハまでのF1マシンや「330 P3/412P」などのGTカー、「F40」といった名車までのさまざまな車両だけではなく、壁一面に貼られた額には、過去のレースのリザルトや数多くの歴史的な資料も展示されており、とても興味深かったです。

フェラーリがズラリ

また、量販車の車両展示コーナーには「288GTO」「F40」「F50」「エンツォ」「ラ フェラーリ」という一連のスペチアーレが勢揃い。また、当時の新車の販売価格や生産台数のインフォメーションも掲示されていました。これらの名車は昨今とんでもない価格になっていますが、当時も決して庶民価格だったわけではなく、当時から夢のスーパーカー価格だったことをあらためて再認識した次第。

一度見てみたかった希少なポルシェと遭遇

特別展示会場から常設会場に向かう際に通る中庭からは、木組みの民家も見えて雰囲気がなんともステキ。そこに、私がぜひとも実車を観てみたかった1台を発見しました! それはオランダのアウトバーン警察車両として実働していたポルシェです。

1960年代にアウトバーンが開設したオランダ。ポルシェからオランダ警察に40台の「356」が納車されたのですが、なんとすべてがカブリオレ! 当時のオランダ警察の帽子の高さが高かったこともあり、クーペではそのまま座っても収まらないというのが理由とか。

また、オランダ人はかなり身長の高い方が多く、帽子の高さも相まってカブリオレは苦肉の策だったようです。なので、どんなに雨が降ろうがカブリオレの屋根を空けての出動だったようですよ。警察官の方たちは、雨の日に現場へ向かうまでに顔などがびしょ濡れでさぞかし大変だったでしょうね。ポルシェ356の後継モデルとして、ここに展示されていた「911 3.0 SC タルガ」が1978年に導入されたようです。

昔はオランダのアウトバーンも速度制限はなかったようですが、現在は午前6時から午後7時までは大半のところで100km/h、それ以外の時間では130km/hとなっています。

さて、ミュージアムに入る前に何気なく撮っていたM3ツーリングの写真でしたが、じつは友人らのグループだったことが後になってお互いのSNSでわかりました(笑)。友人はBMW以外の某プレミアムブランドの開発テストドライバーで、M3を購入したことは知っていましたが、まさか広いドイツで同じ場所にいるとは! すごい偶然でした。

すべて表示
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS