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事故歴あり・オールペン済みでも2億6500万円!「ミンティフォーティ」の愛称でSNSで超有名なフェラーリ「F40」はお買い得だった!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

欧州の大物フェラリスタのもとを渡り歩いたヒストリー

今回の「Monterey 2024」オークションに出品されたフェラーリF40、シャシーナンバー「88538」も、当初はこのモデルのデフォルトにしたがって、ロッソ・コルサをまとっていた。

1991年2月27日、ロッソ・コルサのボディに赤い「ストッファ・ヴィゴーニャ(難燃性のジャージ生地)」のインテリアの組み合わせで完成したこの車両は、「フェラーリ・ドイツ」社に引き渡され、同年5月にデュッセルドルフの「オート・ベッカー」社を通じて、最初のオーナーであるドイツのヴェルファースハイムに住むディーター・ウルフ氏に納車される。

フェラーリ史研究の大家であるマルセル・マッシーニ氏が調べたところによると、この個体は1992年にイタリアのムジェッロで開催されたF40ミーティングに出席し、翌年には「フェラーリ・クラブ・ドイチュラント」の集まりにも参加したという。

1994年、シャシーナンバー88538は当時の「ドイツ・フェラーリ・クラブ」会長であり、著名なコレクターであったアーノルド・ガーデマン氏に譲り渡された。ところが彼のもとにあった1998年ごろ、事故に巻き込まれた車両はオランダ人オーナーに売却され、オランダの著名なスペシャリスト「フォルツァ・サービス」社に、純正スペックでの修理を依頼した。

この修理の一環として、フロントのクラムシェルカウルが交換されたが、現在でもドアヒンジ、リアスポイラー、リアフェンダーに出荷時のボディナンバーが残っている。

現オーナーが赤で再塗装するはずだったが……

そして修理が完了してから長い年月が経った2008年、この個体は「フェラーリ・クラシケ」認定を受け、マッチングナンバーのエンジンとギアボックスが残っていることが確認されるとともに、修理が完全なオリジナルの仕様と基準で行われたことが証明された。

この作業の完了後、シャシーナンバー88538 はヨーロッパに戻り、ドイツのバーデンバーデンで開催された「フェラーリ・クラブ・ドイツ 25周年記念ミーティング」に登場した。2003年には「フォルツァ・サービス」社が機械的な故障を起こしていたオドメーターを交換し、当時1万1442kmを表示していたオドメーターを、7118kmを表示していた中古オドメーターに交換したことが書面で確認されている。そののち2010年から2012年まで3年連続で「フェラーリ・トリビュート・トゥ・ミッレ・ミリア」に参加した。

そして2014年にオークションで販売され、2017年に個人所有となったのち、2021年に現オーナーが入手した。当初、現オーナーはこのクルマを赤で再塗装する予定だったそうだが、ペイントが完全に剥離された段階で、新たなアイデアが浮上したとのこと。シャシーナンバー88538は、たとえパーフェクトコンディションで保存されていたとしても、それは決して本当の意味での完全な新車スペックではないからである。

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