だれもが自分の意志で移動し、行動することをサポートするマツダ車
51回目を数える「H.C.R. 国際福祉機器展」は、毎年10万人以上の来場者を数える、介護福祉機器を一堂に集めたアジア最大級の国際展示会です。2024年も10月2日(水)から10月4日(金)までの3日間、東京ビッグサイト東展示ホールで開催されました。リアル展とは別に2024年9月2日(月)~ 11月1日(金)までウェブ展も開催しています。
運転操作の選択切り替えが簡単に行うことができる
いわゆる福祉車両として、送迎用の車いすを載せられるスロープ車など送迎用の車両を展示しているメーカーも多いが、今回のH.C.R.展示会でもマツダは、あくまでも本人が乗って楽しむクルマの提案をしている。
今回出展したのは、2台。ともに「SeDV(エスイーディーヴィ)」とボディサイドに描かれているが、これは「Self-empowerment Driving Vehicle(セルフ エンパワーメント ドライビング ビークル)」の略で、つまり自身で運転するクルマ、という意味。出展されたのは、すでに販売がスタートしているマツダ「 MX-30 SeDV」と、参考出品となる「CX-30 SeDV」である。
いずれも、リング式アクセル、レバーブレーキ、ブレーキサポートボード、移乗ボードなどを装備した手動運転装置付きの車両となる。また手動での運転操作と通常の足元のペダルによる運転操作の選択切り替えが簡単に行うことができるのも特徴のひとつ。
SeDV車としては、以前マツダ「ロードスター」がこの会場でも登場していたが、ロードスターはあくまでも、ミクニ ライフ&オート製のハンドドライブユニットを装着したもので、すべて自社開発で手がけたフルコンプリートのSeDVモデルとしての第1弾モデルは2021年頃に発売した「MX-30 SeDV」となり、今回展示された「CX-30 SeDV」は、その第2弾モデルとして、まもなく販売する市販予定車となる。
マツダの商品開発本部で、このMX-30 SeDV、そしてCX-30 SeDVの開発主査である前田多朗さんは、今回のSeDVの展開だけでなく、SeDV車両の今後についても語る。
「まだまだ販売台数は伸びてはいません。でも我々はもっとこのような車両を市場に提案していかなければならないですし、もっと多くの人に届け、人馬一体の走る歓びを味わってもらいたい。そのためには、さらにクルマがどこまでできるのか……を、現在探っていっているところです」
H.C.R.展示会に介護系車両ではなく、自走タイプの車両となるSeDV車両のみを出品するマツダ。ほかのメーカーが追随するような時代が来るとうれしいのだが……。