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廃墟でメルセデスだけのオフ会開催! 17カ国から新旧の車が大集合…若者の旧車愛とファッションコーデがステキ!【みどり独乙通信】

時代に合わせたカスタムなどで楽しんでいるのが印象的

廃墟にズラリと並ぶメルセデス・ベンツ

ドイツ在住でレースを中心に取材活動を行う池ノ内みどりさんは、メルセデス・ベンツのオーナー参加型イベント「シェーネ・シュテルネ(Schöne Sterne)」を取材。そこで感じた、ドイツのクルマが好きな若者の事情などをお届けします。

会場となったのは鉄鋼施設の高炉跡

「シェーネ・シュテルネ(Schöne Sterne/美しい星)」というなんともステキなタイトルのヨーロッパ最大のメルセデスオーナーイベントを取材しました。私はメルセデスオーナーになったことはまだないのですが、新旧「SL」には強い憧れがあり、ベンツに乗るならSL! と高校生のときから決めています。もちろん、夢を通り過ぎて空想上での強い願望ですが……。

さて、前日の夜は台風並みの大嵐になって心配していたのですが、当日はとても良いお天気! 清々しい朝に信じられない数のメルセデスが集結し、会場周辺は大渋滞に。これだけでもなんだかワクワクしてきます。もちろん、シュトゥットガルトの本社近辺を通ればたくさんのメルセデスに遭遇しますが、そんな規模ではなく。ドイツに長く住んでいても、これほどメルセデスだらけという光景に遭遇したことがありません。

「シェーネ・シュテルネ」が開催されたのは、ルール地方(社会の授業で習いましたよね!)のエッセンとボーフムのちょうど真ん中あたりに所在するハッティンゲンという小さな町にある、ドイツで最も古い鉄鋼業の高炉跡地のLWLミュージアム ヘンリッシュヒュッテです。

廃墟マニアの方にはたまらない廃屋感が満載の場所ですが、メルセデスが並ぶととてもカッコいい空間になるのが不思議ですね。ところで余談ですが、日本ではメルセデス・ベンツの事を「ベンツ」とよぶのがフツーですし、当たり前な感じもありますが、ドイツ人でベンツという人は非常に少ないのです。ドイツではメルセデス(発音はメルツェデス)というのが一般的ですが、日本人的にはちょっと発音しにくいので「ベンツ」とよぶようになったのかな? と勝手に推測していますが、ベンツの方が簡単で良いですよね。

このイベントに参加されていたのはドイツナンバーの方が大半だったのですが、ドイツナンバーだからといってドイツ人がオーナーとは限りません。本当にさまざまな国の方々がいらっしゃって驚きました。

トルコ人の方にとっては、メルセデスはステータスの象徴なのでしょうか、ドイツ在住の数多くの方がメルセデスに乗っておられるイメージです。また、チェコやポーランド、ハンガリーといった東欧のほか、ラトビア、イギリス、フランス、ベルギー、スウェーデン、フィンランドなど、主催者の方に伺ったところ、なんと17カ国からの参加があったそうです。いろいろな国のオーナーを探せ! 的なスタンプラリーを開催したら面白そう……。そういえば、かつてこの「シェーネ・シュテルネ」にはNHKも取材に来たことがあったそうですよ。

ドイツの若者も古いクルマを現代流にアレンジして楽しむ

このイベントではメルセデスの車両ならなんでも参加OKなのですが、圧倒的に旧車を多く見かけました。ドイツでも日本と同様に若者のクルマ離れが問題視されていますが、ここでは若いオーナーたちであふれており、ヤングタイマーのオーナーはクルマよりも若いZ世代が多かったのが印象的で、今時のファッションと旧車がうまくコーディネートされていてステキでした。

彼らの所有する愛車は、むしろご両親やおじいちゃん・おばあちゃん世代が現役時代に乗っていたクルマということもあり、家族での会話も弾んでいるというなんともほのぼのしたお話も伺えました。なかにはおじいちゃんを助手席に載せてドライブしたところ、昔を思い出しておじいちゃんが泣きそうになっていたという感動的なお話も。若い世代のみなさんの視点や感性で、今後のクルマ業界やカーライフをどんどん盛り上げてほしいですね。

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