繊細でありながらインパクトのあるダークな世界観を表現
ロールス・ロイスは、大胆さと力強さを表現する「ブラックバッジ ゴースト シリーズII」を発表しました。このモデルは通常モデルより29psパワフルな強力なV12エンジンがハイパワー設定で搭載。さらにブラックバッジ・プラナー・サスペンション・システムを備えることで、ロールス・ロイス特有の魔法の絨毯の乗り心地「マジック・カーペット・ライド」をさらに素早く生み出します。通常のシリーズIIとはビジュアルもパフォーマンスも異なるモデルを見ていきます。
独自のスタイリングが施されたロアグリルを採用
2024年10月8日、ロールス・ロイス・モーター・カーズは大胆さと力強さを表現する「ブラックバッジ ゴースト シリーズII」を発表した。ゴースト シリーズIIは、アグレッシブな顧客の大胆なビスポーク・コミッションにふさわしいドラマチックなキャンバスを提供するために、入念に再設計されている。
エクステリアの最も重要なスタイリングは、ロアグリルで、ブラックバッジ ゴースト史上初となる独自のスタイリングが施されている。ロアブレーキのエアインテークには新しい形状が採用され、機能的なエアダクトにかけて縦方向に走る2本のダークトーンのクローム・ストリップが、テクニカルなブラッククローム・フレームで囲まれている。これらのパーツはパンテオングリルの垂直性と堅牢さを強調している。
スピリット・オブ・エクスタシー、パンテオングリル、サイドに取り付けられた「バッジ・オブ・オナー」などはロールス・ロイスの特徴であるブラッククローム処理が施されている。この効果を生み出すために、従来のクロムメッキ工程に特別なクロム電解液が導入され、ステンレス鋼の下地に共析されることでダークな仕上がりとなる。ブラックバッジ ゴースト シリーズでは初めて、ドアハンドルにもブラックフィニッシュが施され、暗黒な世界観をさらに押し広げている。
足まわりは22インチのパートポリッシュ仕上げの7本スポーク鍛造ホイールを装着する。ハイパワーV12エンジンとシャシー技術の機械的な複雑さを映し出すようにスタイリングされたこのホイールは、視覚的な質量を抑え、スポーク形状を細くすることで、力強いディスクブレーキがはっきりと見えるようになっている。
インテリアはカーボンファイバーを使用した精巧な仕上がりに
ブラックバッジを象徴するダークでテクニカルな表現は、インテリアにも控えめながらも広範囲にあしらわれている。ロールス・ロイスのオルターエゴを最も巧みに表現しているのは、新しいクロック・キャビネットであろう。このキャビネットには、アナログのクロックとライトアップされたスピリット・オブ・エクスタシー像が収められ、ミラー仕上げではなく、ブラッククローム仕上げで表現されている。このエレガントな現代的な工芸技術は、先進的なSPIRIT(スピリット)オペレーティング・システムが統合された、最新鋭のセントラル・インフォメーション・ディスプレイと並んで配置されている。
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIは、ガラス製フェイシアの下からインテリア全体に丹念に施されたテクニカル・カーボンの仕上げを特徴としている。樹脂コーティングされたカーボンとコントラストの効いたメタルコーティングされた糸で編み込まれたリーフ模様は、ダイヤモンド模様に手作業で敷き詰められ、立体感を生み出している。
イマーシブ・シーティングにセンター・コンソールを組み合わせる場合は、後部リクライニングシートとシャンパンクーラーを隔てるテクニカル・カーボンの「ウォーターフォール」セクションに、ブラックバッジ・ファミリーのモチーフであるインフィニティ・シンボルを施すことができる。航空宇宙グレードのアルミニウムで描かれたインフィニティ・シンボルは、6層の着色ラッカーの3層目と4層目の間に塗布され、まるでシンボルが浮き上がっているかのように見える。
強力なV12エンジンがハイパワー設定で搭載
ブラックバッジ ゴースト シリーズIIは、ゴースト シリーズIIよりも29ps高いパワーと50Nm高いトルクを発生する6.75L V12ツインターボエンジンが搭載される。このパワーを引き出すために、ブラックバッジ・プラナー・サスペンション・システムを採用する。
ゴースト シリーズIIと同様、この評価の高いシャシーテクノロジーには、フロントサスペンション・アセンブリの上部に独自のアッパー・ウィッシュボーン・ダンパーユニットが組み込まれている。このユニットは、連続可変の電子制御ショックアブソーバーやセルフレベリング機構付きのエアストラット・アセンブリがフロントとリアとで連動し、ロールス・ロイス特有の魔法の絨毯の乗り心地「マジック・カーペット・ライド」をさらに素早く生み出す。
AMWノミカタ
ベントレーもデビューしたばかりの「コンチネンタルGT」や「フライングスパー」にマリナーと呼ばれるラグジュアリーなパッケージモデルを導入した。こちらはウェルビーイングを強化する快適装備や独自にデザインされたパーツが追加されたエレガントでコンフォートなモデルとなる。
かたやロールス・ロイスは正反対のスポーティなエクステリアを持つブラックバッジを発表した。こちらは単なるコスメティックの変更ではなくパワー、トルクともに強化したハイパワーエンジンを搭載してきたことも大きな違いである。
約70年にわたり同じ会社であった両社ではあるが、同じタイミングでショーファーカーを得意とするロールス・ロイスがスポーティなラインナップを発表し、ドライバーズカーを作り続けていたベントレーがラグジュアリーで快適なラインアップを発表してきた。それほど顧客ニーズの多様性が増したということであろうか。この勝負の行方はどちらにあがるか気になる。