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木村拓哉&玉森裕太がミシュラン「三つ星」レストランのプレゼンターに! タイヤメーカーがなぜ「ミシュランガイド」を発行し続けるのか?

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TEXT: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)  PHOTO: 南陽一浩(NANYO Kazuhiro)/MICHELIN

新たにソムリエアワードも創設

新規に掲載されたビブグルマンならびに星付きレストランのオーナーやシェフら、責任者たちが次々と呼ばれ、レッドカーペットの上を通って壇上に上がるのだが、彼らは呼ばれる瞬間まで委細は知らされていない。またスイスの時計メーカー、ブランパンの協賛によって「メンターシェフアワード」、「サービスアワード」、そして今年から新設された「ソムリエアワード」が毎回授与されており、美食界への貢献を認められたプロフェッショナルが選ばれる。

メンターシェフを受賞した中央区「鮨 かねさか」の金坂真次氏に代わって、名代を務めた同店の薄葉たかし店長は、寿司職人は絶滅の危機にあり、次世代にバトンを繋ぐためこの日も板場に立つため、金坂氏は欠席という旨を伝えた。2025年版のサービスアワードを受賞した千代田区・スィークルbyマウロ・コラグレコのエグゼクティブ・ディレクター、安井理恵氏は、「家族より長い時間を過ごしている仲間たち」そして「サービスの仕事にスポットを当ててくれたこの賞」に感謝したいと、スピーチした。ソムリエアワードを受けた中央区・エスキスの若林英司氏は、創設されたばかりの賞を授与された驚きを率直に語った。

いずれもレストラン業で一定以上のクオリティを込めて続けることの難しさを、感じさせるコメントだった。だからこそミシュランの星を頂くというのは料理人にとっては特別なことで、とくに一つ星レストランとして壇上にコールされた人々は、ほぼ例外なく初々しい驚きを隠さなかった。

『グランメゾン・パリ』から木村拓哉&玉森裕太が登場

ところで今回の発表セレモニーにはサプライズが用意されていた。いよいよ三つ星店が発表という際に、年末12月29日にスペシャルドラマが放映され、翌30日から映画『グランメゾン・パリ』公開を控える、主演の木村拓哉とスーシェフ役の玉森裕太が現れ、プレゼンターを務めたのだ。さすがスター、キムタクが今回の三つ星を得た店をコールし、玉森裕太がコックコートの授与さらにキムタクがトロフィーを手渡すという、三つ星ならではのゴージャスな演出で授与式は進行した。

トロフィーにホコリか汚れでもあったのか、ステージの袖で、キムタクが自らの服で拭ってから受賞者に渡すシーンもあった。自身が役で演じたフレンチのシェフ、尾花夏樹が足掻き続けてそれでも届かなかった、ミシュラン三つ星の重みへの、強いリスペクトを感じさせる振る舞いといえた。以前に放映されていたドラマは、グランメゾン東京が三つ星を獲ったところで終わっていたが、続編ではパンデミック下でお店が直面したであろう困難が描かれ、「フィクションとはいえ無視して描くのは、本職の方々に失礼という想いがあった」と、キムタクは壇上で明かした。

* * *

逆説的にいえば、飲食業界の仕事に日々、向き合い続ける難しさに共感できてこそ、その仕事ぶりの尊さをより一層、深く味わうことができる。ミシュランの星が語り続けている「足を運ぶ価値のある料理(やレストラン)」というのは、単なる食通のための特別な目印ではなく、そういうことでもあるのだ。

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