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リトラのフェラーリ「デイトナ」がなぜ1億2800万円!? 高額の理由はローマイレージに新車当時からの魅力的なオプションにありました

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

リトラクタブルなのに、プレキシ並みの落札価格!

さきごろ「Monterey 2024」オークションに出品されたフェラーリ 365GTB/4 デイトナは、生産最終期にあたる1973年式。

つまりデイトナの中でも前期型にあたる、固定式4灯ヘッドライトを樹脂製カバーで覆った通称「プレキシ」モデルと比べると安価な市場価格となるはずの後期型、リトラクタブルモデルであるにもかかわらず、RMサザビーズ北米本社は75万ドル~90万ドル(邦貨換算約1億1100万円〜約1億3320万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

これは、近年における後期型デイトナのマーケット市況と比較すると、かなり高めの価格となるのだが、その自信を裏づけていたのが以下のヒストリーである。

1973年8月下旬に完成したこのデイトナ・ベルリネッタは、シャシーナンバー「16795」。「アルジェント・メタリッツァート(シルバーメタリック)」のボディペイントに、英コノリー社製の黒い「ヴァウモル・レザー」でトリミングされたインテリアが組み合わされているのだが、特筆すべきはモデナのスカリエッティ工場で施された仕上げの大部分が、今日に至るまで維持されていることであろう。

もともと米国市場向けのスペックで製作され、世界的クラシックカー・コレクターとしても知られたウィリアム・ハラーの有名な販売代理店「モダン・クラシック・モーターズ(MCM)」社に引き渡されたのち、そこからアイオワ州ダビューク在住のジャック・フロスト博士に新車で販売された。MCM社の納車前書式と販売に関する書簡は、今回の販売に際して添付されたドキュメントファイルに残っている。

フロスト博士は熱狂的なデイトナ愛好家だったようで、少なくとも1台の下取りと1台の工場納車を含む一連の取引で、MCMを通じて5台のデイトナ(スパイダーを含む)を購入したことが判明している。

シャーシナンバー16795は、これら5台のうちの最後のデイトナであり、ビル・ハラーからこのベルリネッタを購入したあと、フロスト博士は1980年まで走らせることなくディーラーに委託し続け、最終的にアイオワに持ち帰った。

フロスト博士は、ほかのデイトナには乗ることを楽しんでいたようだが、このシルバーのデイトナはあくまでコレクションだったようだ。彼はこの個体を登録することなく、所有期間中ずっと「イタリアンMSO」社に預けていた。そしてその数十年の間は、空調管理された保管庫で最適なケアを享受した。

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