日常使いから防災シェルターまで幅広く活用できる
ワンボックス車やミニバン、ワゴンをベースに架装を施した「バンコン」が注目を集めています。キャンピングカー市場に数多ある車種の中でも、取り回しのいいボディサイズ、本当に必要な装備、購入予算などを悩み抜いた先には、シンプルで使い勝手の良い最新バンコンが魅力的に見えてくることでしょう。今回は、豊富なキャンパー装備で人気のOMCがトヨタ「ハイエース」をベースに製作した「ZERO(ゼロ)」を紹介します。
実際に使える装備を詰め込んだ実力派
キャンピングカーの購入は悩むことだろう。用途別にさまざまなタイプが存在し、仕様も装備も異なる。自分にとってピッタリのモデルはどれなのか? 選ぶための基準、目安を作り知ることが大切だ。
トヨタ「ハイエース」をベース車にキャンピングカーを数多く手がけているビルダーとして有名なOMCは、独自の設計思想で他にないオリジナリティの高いバンコンを製作している。使う側の視点をしっかり採り入れた、使い勝手が良く上品な雰囲気の内装が特徴だ。数あるOMC製バンコンのラインアップの中でも、とくにバランスにすぐれ、豊富なキャンパー装備で人気となっているのが「ZERO(ゼロ)」だ。
右サイドに設置された常設2段ベッドと、左サイドに設置されている単座型の対面式ダイネットを中心としたレイアウトは、長年の人気モデルで定評を得てきたレイアウトであり、フロントからリアへのアクセスのしやすさが特徴。とくに2人旅ユーザーにおすすめのモデルである。
災害時のシェルターとしても活躍
左サイド2列目の単座型シートは走行時には前向きに使用することができ、1人用のベッドに展開することも可能。これにより6人乗車、3人就寝に対応している点も魅力的だ。
またゼロの見どころのひとつが、電装系を中心とした充実の標準装備にある。サブバッテリーには105Ahのリチウムイオンバッテリーを採用。昇圧式の走行充電システムも備えているため、長旅でも電力消費の心配が少なくて済む。さらに外部充電装置も装備し、その能力を標準装備する冷蔵庫、電子レンジなどに供給するシステムを組む。そのほかにも給排水タンクを備えたキッチンに加え、車内の最後部には水を使わずに使用できるトイレ「ラップポン」も設置。コンパクトな車体ながら、完全自立型とも呼べる充実仕様のキャンパーに仕上げられている。
現在、キャンピングカーは災害時のシェルターとしての役割も注目されている。ゼロの充実した装備類は、まさにその役目を果たすのに十分。長期旅行はもちろん、日常使いから防災シェルターとして幅広く活用できる完成された傑作バンコンだ。