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人気のあまり50台限定で市販化! BMW「スカイトップ」は「Z8」だけでなく「GINA」のオマージュ!?…いろんなBMWのデザインが見えてきます

BMW スカイトップ:キドニーグリルにはイルミネーションが施される

多くの反響を受け50台限定生産を決定

BMWは、コンセプトカー「スカイトップ」を50台限定で生産することを発表しました。2024年5月にコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステで公開されたスカイトップは発表後に多くの反響を受け、市販化に踏み切ったといいます。このエレガントな美しいロードスターを詳しく紹介します。

BMWで最もパワフルなV8エンジンを搭載

BMWは、BMW M社の創立50周年を記念し、2022年に発表された「3.0 CSL」に続き2シーターのロードスター「スカイトップ」の生産を発表した。2024年5月にイタリア・コモ湖畔で開催されたコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ2024でお披露目されたコンセプトカーのスカイトップは、自動車愛好家に興奮の波を巻き起こした。この多くの反響を受けて、BMWは50台限定生産で市販化することに踏み切った。

パワーユニットは、BMWが誇る最強のV型8気筒エンジンを搭載する。4.4L V8ガソリンターボは最高出力633psを発揮し、8速ステップトロニック・スポーツトランスミッションを組み合わせる。トラクションを最大化するBMW xDriveの四輪駆動システムは、エンジンパワーを必要に応じて四輪に配分し、いかなる状況でも安定性とドライビング・ダイナミクスを最適化。0-100km/h加速は約3.3秒を誇る。

Z8をオマージュして製作

スカイトップは、「507」や「Z8」など、BMWを象徴するロードスターの歴史を称えている。強調されたボンネット、シャークノーズ、引き締まったテールライトはすべて、Z8を意識して製作された。

エクステリアでは、ボディカラーはフローティング・サンダウン・シルバーを採用。ボンネットからトランクリッドのアルミニウムバーまで伸びたスプラインが、特別仕様車のダイナミックなフォルムの流れを強調している。

ドアショルダーに控えめに組み込まれたウイングレットは、従来のドアハンドルの代わりを果たし、複雑なフィンを持つ軽合金製ホイールとともに、優美な外観を形作っている。また、イルミネーションが施されたキドニーグリルとヘッドライトが、特別なモデルであることを象徴している。

LEDユニットはアルミニウム製キャリア上に配置され、自動車用ヘッドライトとしては現在最もスリムな形状となっている。これはBMWスカイトップのために特別に開発されたもの。テールライトも絞り込まれたデザインを採用する。

インテリアのデザインにZ8感はとくになし

赤褐色のルーフはエクステリアの塗装に流れ込み、そのクロームシャドウ効果によって印象的な視覚的インパクトを与えている。この精巧なカラーグラデーションは、熟練の塗装職人によって手作業で施された。

フロントシート後方にはレザー仕上げのロールオーバー・バーを配置し、Bピラーのサイドフィンと開閉式リアウインドウと組み合わせる。取り外し可能なレザー製のルーフは、ラゲッジスペースの専用コンパートメントへ収納が可能だ。

インテリアもまた、心地よいラグジュアリーと類まれなエレガンスを醸し出す。ブローギング・スタイルの装飾がアクセントを添えるレザーシートは、ルーフに使用されている赤褐色を採用する。コクピットに華麗に埋め込まれたクリスタル・アプリケーションも、車内のエレガントな雰囲気に貢献する。

AMWノミカタ

キドニーグリルが巨大化していた昨今のBMWのデザインはちょっと……という人も、スカイトップにはどこか既視感があり、素直にカッコいいと納得させられたのではないだろうか。フロントマスク──特にヘッドライトやグリルの雰囲気、ボディサイドのキャラクターラインなど、2008年に発表された「GINA Concept」との共通性が強く感じられる。そうした目で見ると、Z4とのつながりも見えてきそうだ。

そもそもスカイトップは507やZ8へのオマージュであるとアナウンスされているが、2台のようにフルオープンではなく、Zシリーズのすべてがそうであったようにロングノーズ・ショートデッキスタイルでもない。シートは車体のほぼ中央に配置されている。

またインテリアを見ると、ステアリングやセンターコンソール、メーターパネルなど、スカイトップ特有のデザインは感じられず、むしろドライバーオリエンテッドにまとめられている点など、BMWのオーソドックスなデザインを踏襲している。それも80年代のBMWに通じるシンプルな構成である。あえてクラシカルなデザインを現代風にまとめ、当時のラインアップとはまったく共通性を見いだせなかったZ8のインテリアとは真逆である。スカイトップのインテリアからは、歴代、そして同時代のBMWのDNAがそこかしこに感じられて仕方がないのである。

極めつけは、ロールオーバー・バーがそのままトンネルバックスタイルのようにデザインされており、CピラーのないBMWのオープンカーには不可能だったホフマイスターキンクをオープン時でも感じることができる点だ。このフライングバットレス部の鋭角なラインは、「M1」にも通じていることがわかる。

こうして見てくると、スカイトップはBMWのデザインの原点に立ち返り、デザイン言語を再確認するためのクルマだったのではとさえ思えてくる。さらに、スカイトップはV8をフロントに搭載しているはずだが、プロポーション的にはリアに搭載されているようにも見えなくもない(かつてのプジョーRCZもそうだった)。ここでM1のようなミッドシップの再来を期待するというのは、すこし早計すぎるだろうか。

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