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オーストラリアでボートがマシントラブル!「バラマンディ」釣りのボルテージは最高潮でした…【豪州釣りキャンの旅_07】

オーストラリアでボートがマシントラブル!「バラマンディ」釣りのボルテージは最高潮でした…【豪州釣りキャンの旅_07】

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)

バラマンディと格闘してボルテージ急上昇!

「まず、立木があるストラクチャーを狙ってみましょう」

サイモンが静かに作戦をぼくたちに伝えた。これはぼくたちが好む釣りのスタイルだ。スポーツフィッシングの醍醐味は、自分が選んだルアーを正確にポイントにキャストして誘うことにある。トローリングは効率がいいかもしれないがガイドまかせの釣りで、運がいいヤツが釣れるだけだ。

ボートが静かに進む。朝日が射し、川面には水蒸気が上がっている。

「水温が少し上がってきた。これはいいサインです」

サイモンが指差す木のストラクチャーに向かってルアーをキャストする。すると、キクの竿に、いきなりヒット! サイズは小さいが、第1投からバラマンディをキャッチした。これはいいぞ! 続いて、ケンさんにもヒット。渋いベテラン・アングラーも、満面の笑みだ。

そして、しばらく遅れて、ぼくのルアーにも元気なバラマンディが襲いかかってきた。小さくてもアタリは強く、ジャンプはするし、潜るし、よく引く。やはり、バラマンディはスポイーツフィッシングのターゲットとしては、A級の魚だ。

釣り開始から1時間ほど経ち、かなりの魚をキャッチしたが、いかんせんサイズが小さい。もっと大きい魚を釣りたい、という欲望がむくむくと沸いてくる。サイモンに聞くと、大物はいるのだが、小さい魚が先にヒットしてしまうのだという。

「チャンスはあります」

と、そのときだった。ケンさんのルアーに大きなバラマンディが飛びかかった。

「ビッグフィッシュ!」

静かなサイモンが大声を上げた。

しかし、フックアップせず、ケンさんのロッドはしならなかった。

「ちくしょう!」

ケンさんが残念がり、サイモンは「80cmはあった」と証言した。

「さあ、これからだ!」

誰かの声が上がり、4人のボルテージが一気に上がった。ウォーミングアップは終わったのだ。

これから! というところでボートが……

「岩が沈んでいるいいポイントがある。そこにいってみよう」

サイモンがそう言い、エンジンを始動させる。

ところが……。

カスカスカスと力ない音がしてエンジンがかからない。

「これはバッテリーのトラブルだ」

何度やってもエンジンはかからず、高価なフィッシングボートはただの筏になってしまった。

「クルマに戻れば、スペアのバッテリーがある」

サイモンが小さなオールを出して漕ぎ始めたが、ボートはほとんど進まない。ランプまで戻るのは不可能に思えた。

結局、30分後に通りかかった別のボートにランプまで牽引してもらうことに。ランプにいた人に「大きいのが釣れたね」とジョークで迎えられた。

その後、修理をしようとしたがエンジンはかからず、ジ・エンド。ぼくのイーストアリゲーター・リバーでの釣りは、不完全燃焼で終了してしまった。

■「豪州釣りキャンの旅」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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