映画のロケ地としても有名な木更津市
映画評論家・永田よしのりがガイドする、気になる映画のロケ地探訪。連載2回目として今回訪れたのは千葉県木更津市。『シン・ゴジラ』や『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』、『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』などの名場面に使われたロケ地を辿ってきました。
川崎と木更津を結ぶ東京湾アクアライン
異常な猛暑もひと段落してきて、酷暑で外出を控えていた人たちも、レジャー、観光にと出かけやすくなってきた今日この頃なのではないだろうか。今回は千葉県の木更津市に向かおう。
木更津市といえば、川崎から高速道路アクアラインで向かえばすぐ、という立地。アクアラインは現在、土日祝日の混雑緩和のためにETC時間帯別料金形態が実施されている。普通自動車での走行は下り線(木更津方面)は終日800円だが、土日祝日の上り線(川崎方面)は時間帯によって600円から1200円と幅がある。アクアラインを通行する時はチェックされるのが良いだろう。
アクアライン〜海ほたるPA
アクアラインを通れば、まず必ずといっていいほどドライバーたちが寄るのが海ほたるPA。割と知らない人が多いのが、川崎方面からでも木更津方面からでも、この海ほたるPAで来た方面にUターンできること。そのため海ほたるPAだけを目指しアクアラインに乗る観光客も多いので、土日祝日は混雑するのだ。
さて、観光スポットとしてメジャーなPA海ほたる。当然映画のロケ地にもなっている。比較的最近では2016年公開の『シン・ゴジラ』。冒頭でゴジラの尾が海上へと現れるのがこのアクアライン、海ほたる周辺。ゴジラの尾は当然CGだが、実景はそのままだ。
2018年の『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』でカーフェリー「りんどう」が衝突した事故現場が海ほたるPA。こちらも事故船舶は実景との合成だが、立ちのぼる黒煙や救急現場の様子は海ほたるなどを下敷きに描かれている。
最近の映画は実景を基本にして、そこにCG合成することが多いので、実際に現場に立つと少々イメージが掴みづらいこともあるかもしれないが、実際の現場でロケすることで、臨場感を観客に伝えることができるのだ。
木更津といえば、その地名が題名にもなっている『木更津キャッツアイ』シリーズを思い出すだろう。CGは使わずに実景そのままで撮影使用されているのがドラマ『木更津キャッツアイ』シリーズ。劇場版『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』(2003年)では、PA内のおみやげ店で海ほたるちゃんを買う買わないで阿部サダヲ(猫田)と酒井若菜(モー子)がモメた場面や、岡田准一(ぶっさん)と浅田美礼(美礼先生)がデートした場面など、海ほたる数箇所でロケが行われた。混雑を避けて海ほたるPAに遊びに行くなら、なるべく平日が良いだろう。
中の島大橋(鳥居崎海浜公園)
木更津港の入り口にそびえる中の島大橋。高さ27m、長さ236mの日本一高い歩道橋。『木更津キャッツアイ』の劇中で岡田准一(ぶっさん)とユンソナ(ユッケ)、櫻井 翔(バンビ)と酒井若菜(モー子)が、おんぶしてこの橋を渡った。おんぶして橋を渡ると恋が成就するという「赤い橋の伝説」のモデルとなったのが、ここ中の島大橋だ。ぶっさん(岡田)と哀川 翔(哀川 翔)が出会った場所でもある。
ドラマ放送後にはファンが大挙して訪れ、相手をおんぶして橋を渡るという光景が多発していた。たもとには恋人の聖地というモニュメントも設置されている。橋の下には駐車場があるので、クルマを停めて橋を歩いて往復してみるのも良いだろう。