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マクラーレン新型「W1」のサスペンションは3Dプリンターで30%近くコストダウン…大きく変わろうとしている自動車の製造プロセスの現場とは

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TEXT: AMW  PHOTO: McLaren Automotive

  • マクラーレン W1:公道走行可能なマクラーレンモデルとして最速を誇り、直線では0-300km/h加速12.7秒以下で、スピードテールの12.8秒を上回る
  • マクラーレン W1:ボディパネルはほぼ全てがカーボン製。デザインはエアロダイナミクス主導としては驚くほどクリーンにまとめられている
  • マクラーレン W1:W1専用のカーボン製モノコック「マクラーレン・エアロセル」に、ガルウイング形状のアンヘドラルドアが備わった
  • マクラーレン W1:レースモードでは車高がフロント37mm、リア17mm下り、アクティブウイングが展開。これにより最大1000kgのダウンフォースが発生する
  • マクラーレン W1:グランド・エフェクト・エアロダイナミクスと呼ばれる、F1の知見などを活かした空力パッケージを採用。サスペンションやエンジンの位置なども空力効率が考慮されている
  • マクラーレン W1:後方に300mm展開する「アクティブ・ロングテール」リアウイングを装着
  • マクラーレン W1:最高出力928psの4L V8ターボと347psのEモジュールを組み合わせ、システム最高出力1275ps/最大トルク1340Nmを発揮する
  • マクラーレン W1:モノコックにシートを一体化した設計を採用。ペダルやステアリング、操作系が可動しポジションを変更できる
  • マクラーレン W1:専用インテリア素材をはじめ、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)によるビスポークが可能となっている
  • マクラーレン W1:フロントウィッシュボーンはダイバージェント・テクノロジー社が3Dプリントで製造
  • マクラーレン W1:F1から取り入れたフロントサスペンションをカーボンファイバー製モノコック「マクラーレン・エアロセル」に直接マウントする構造を持つ

米国ダイバージェント・テクノロジー社と連携

マクラーレンは、産業用デジタルマニュファクチャリングを開発する米国ダイバージェント・テクノロジー社と提携し、新型ハイパーカー「W1」専用の先進的サスペンションハードウェアを設計、開発したと発表しました。これは主要なサスペンションハードウェア全般に及び、車両パフォーマンスをさらに強化するものとなります。

フロントウィッシュボーンは3Dプリントで製造

2024年10月6日に発表されたマクラーレン新型「W1」は史上最も偉大な2台のスーパーカー、「F1」と「P1」の継承モデルであり、クラストップのパフォーマンスを目指すマクラーレンの精神が込められている。W1では、F1から取り入れたフロントサスペンションをカーボンファイバー製モノコック「マクラーレン・エアロセル」に直接マウントする構造を持つことが特徴である。

マクラーレンのエンジニアは、ダイバージェント・テクノロジー社の革新的な設計、製造手法や積層造形技術によって、W1のフロントアッパーウィッシュボーン、エアロダイナミクスを向上させたロワーウィッシュボーン、フロントアップライトなど、最適な耐久性と剛性をもつ高効率で複雑なサスペンションシステムの開発を迅速に行うことが可能となった。とくにフロントウィッシュボーンは、ダイバージェント・テクノロジー社が3Dプリントで製造した重要なコンポーネントである。

こうしたコンポーネントの設計製造は、W1が誇る卓越したパフォーマンスとドライバーとの一体感に貢献している。ダイバージェント・テクノロジー社創業者であり会長兼CEOのケヴィン・ジンガー氏は、このようにコメントしている。

「マクラーレンのチームは、このデジタルマニュファクチャリングの時代にスーパーカー製造の可能性の限界を押し広げることに成功したのです」

AMWノミカタ

今回マクラーレンが手を組んだダイバージェント・テクノロジー社は、製造過程のすべてのデジタル化を推進する企業である。「DAPS」と呼ばれる一連のデジタル製造プロセスは、AIや機械学習を用いて設計を行い、3Dプリンターでパーツを製造し、産業ロボットで組み立てる仕組みで、マクラーレンの他にもアストンマーティン「DBR22」のサブフレームの製造にも関わっている。

このデジタル化されたプロセスによって製造原価がこれまでの30%近く安くできることも大きなメリットで、自動車だけでなく航空宇宙・防衛などといった分野からも注目されているという。イギリスのブランドはクラフツマンシップなどと言われる伝統的手工業でクルマを作るとことを美徳としてきたが、クルマが電気になるだけでなく、100年間変わっていない自動車の製造プロセスも大きく変わってゆくフェーズにいよいよ突入してきたようだ。

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