マセラティがオート・エ・モト・デポカに出展
マセラティは、2024年10月24日から27日までイタリアのボローニャフィエレ・エキシビションセンターで開催された「オート・エ・モト・デポカ」に出展しました。ブースには「ギブリ スパイダー4.7」と新型「グランカブリオ トロフェオ」の2台のコンバーチブルと「MC12 ヴェルシオーネ コルセ」を展示し、またマセラティの過去のモデルを保護、再生するプログラム「マセラティ・クラシケ」なども紹介されました。
新旧コンバーチブルを展示
マセラティは、美しいヒストリックカーに焦点をあてたイベント「オート・エ・モト・デポカ」で、「ギブリ スパイダー4.7」と新型「グランカブリオ トロフェオ」の異なる時代の2台のコンバーチブルを展示し、スポーツカー特有の高性能と長距離走行に適した快適さを兼ね備えたグランドツーリングのコンセプトを強調した。
砂漠の風にその名を由来するギブリは、当時の他のグランドツアラーとは一線を画す主張の強いラインを保ちながら、控えめなデザインとエレガントで洗練されたスタイルを維持した。1300kgを超える車重を持つギブリは最高速度260km/hを超える性能を発揮したモデルであり、1969年にはスパイダーが加わった。当初の生産台数は100台だったがその後400台に設定され、最終的には1332台のギブリが生産された。
グランカブリオ トロフェオはドライビングファンに捧げられ、快適性とスタイルを特徴とする新しいコンバーチブルである。オート・エ・モト・デポカに展示されたのは、最高出力550psの高性能V6 ネットゥーノツインターボエンジンを搭載したトロフェオモデルである。
伝説的なレースモデル「MC12 ヴェルシオーネ コルセ」も登場
またこのイベントでは、マセラティがモーターバレーに特化したパビリオンに出展し、モデナがいかにマセラティの心臓部であるかを示すとともに、「マセラティ・クラシケ」プログラムの活動を紹介。
マセラティ・クラシケは、ブランドの顧客やコレクターのために、自動車遺産の保存とオリジナリティの保護促進を行っている。認証プロセスは専門家からなる委員会によって行われ、20年以上前のマセラティ車に加え、「MC12」や「クアトロポルテ」の限定モデルなど、近年の特別なシリーズなども対象となる。また、このプログラムには車両のメンテナンスのオプションも含まれており、さらに社内で行われるオンデマンドのカーディテイリングサービスも提供される。
このイベント出展の締めくくりとして、ブースでは「V12の芸術」を称える「MC12 ヴェルシオーネ コルセ」が展示された。2006年に開発されたこのモデルは、レーシングモデルをベースにサーキットでの競技専用車として設計され、12台の顧客向け車両と3台のプロトタイプが生産された。最高出力755psを発生する驚異的なV12エンジンを搭載したこのモデルは、モータースポーツの歴史に忘れがたい1ページを刻んだ。
AMWノミカタ
オート・エ・モト・デポカはイタリア最大級の自動車見本市で、期間中新旧約5000台の車や部品が展示され、そして売買されることが特徴のイベントである。近年自動車ブランドがブースを構えるようになったが、とくに歴史のあるメーカーはクラシックカーを同時に展示することで、ブランドの歴史や変わらない哲学を伝えるブースを作ることができ、老若男女の来場者を楽しませることができる。
今回、マセラティが展示したギブリ スパイダーもそんな1台である。初代ギブリであるこのモデルはジウジアーロがデザインし、リトラクタブルライトを搭載した前衛的なモデルであった。1970年からこのモデルの排気量は4.9Lに拡大されたので、展示モデルは生産初年度の1969年式モデルである。グランカブリオと見比べてみると、両者とも大きなグリルにトライデントが輝き、伝統的なデザインが55年後の現在にも継承されていることがわかる。そんな小さな発見もこのオート・エ・モト・デポカの楽しみなのではないだろうか。