クラシックカーユーザーによる町おこしイベント
2024年6月2日、佐賀県嬉野市塩田町(うれしのししおたまち)にて「塩田津に【勝手に】旧Car」が開催されました。イベント名称に、「勝手に」と付されていますが、なぜこのイベント名となったのでしょうか? これには、クラシックカーを愛するユーザーの皆さん達による、「塩田津」と呼ばれるこの地域への恩返しの意味が込められているのでした。
塩田津を盛り上げるための旧車乗り有志によって開催
オールドカーで町おこしプロジェクト 「塩田津に【勝手に】旧Car」の開催場所は、佐賀県嬉野市塩田町。ここは、有明海の干満の差を利用して発達した川港である塩田津と、長崎街道の宿場町が交わる歴史と文化のかおる町として知られる。江戸時代に確立された建築様式で、火災や風水害に強い白い漆喰に覆われた「居蔵家(いぐらや)」が立ち並ぶ街並みが特徴で、観光地としても人気の場所だ。
今から10年以上も前のこと。この塩田津の本通りを完全封鎖し、古い街並みにクラシックカーを展示するという町おこしイベントが開催されていたそうだ。展示台数は100台オーバー。居蔵家の街並みとクラシックカーの相乗効果は高く、多くの観光客が訪れ街も活性化。しかし、そのイベントが開催されなくなり、その後のコロナ禍により観光客は激減。そんな状態を危惧した古くからのイベント参加者による発案で、この「塩田津に【勝手に】旧Car」はスタート。コロナ禍での中止も経験したが、この2024年で9回目の開催を迎えた。
屋根無しの2階建てロンドンバスも登場!
イベントの趣旨は明確だ。「クラシックカーのミーティングでお世話になった塩田津に、クラシックカーオーナー同志が集まって、恩返しをしよう!」そのために、塩田津の街でミーティングを実施するのだが、あくまでもユーザー同士のミーティングであることが大前提。
そのため、以前実施されていたように、本通りを封鎖しての車両展示などはせず、集合場所は1本裏に入った塩田川沿いの塩田津町並み駐車場。そこに、クルマ好き同志が勝手に集まって楽しんでいるだけ。イベント名に「勝手に」とあえて追記されているのは、そういう理由なのだ。
ユーザーが主導ということで、主催者は参加者ひとりひとり。「少しでも、お世話になった塩田津に恩返しを」の思いで集まりはじめて、2024年で9回目の開催に。今では地元の方々からも様々な協力を得られ、街並みの一部が展示場所として開放されている。
また、シャレトンモーターサービスの協力により、オープントップ(屋根が無い)2階建てロンドンバスも登場し、無料体験乗車を実施。往復40分ほどのコースを1時間に1回運航するということで、一般観光客も数多く来場。1階2階の両フロア共に満員状態が、最後の運行まで続くほどの大盛況となった。
静かに来て静かに帰る。来たときよりも町並みを美しく。そして、ミーティングの日以外にも、塩田津へと足を運ぼう! これが、ユーザー主導による非営利の町おこしプロジェクトの願いなのだ。