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秋の「軽井沢モーターギャザリング」で新感覚のコンクール・デレガンスを初開催!…目指すは映画『イヴォンヌの香り』の世界観

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実(TAKEDA Hiromi)

気楽だけど軽井沢らしさを加味したコンクール

初開催を迎えた「コンクール・オブ・エレガンス@軽井沢」の開幕に先立ち、われわれ審査チームは、このコンクールの基本指針を定めることにした。コンクール・デレガンスといえば、アメリカの「ペブルビーチ」やイタリアの「ヴィラ・デステ」、あるいは星野さんや筆者も主催者側として参画した伝説的イベント「東京コンクール・デレガンス」においても、クルマのデザインやオリジナル性、希少性、コンディションなどを厳密に審査することを旨としている。

でも「コンクール・オブ・エレガンス@軽井沢」は1950〜1960年代に欧米で行われていたような、ローカルで気楽、でも軽井沢らしさも加味したコンクール。たとえば名匠パトリス・ルコントの監督で1994年に公開されたフランス映画『イヴォンヌの香り(Le Parfum d’Yvonne)』に出てくるような、カジュアルなコンクールを目指そうというものである。

当日は、午前中から来場者の人気投票がオンラインおよび投票用紙でスタートするかたわら、われわれジュリー陣も三々五々会場を散策し、それぞれのエントリー車両のオーナーたちから、愛車に関する情報や思い入れを伺う。さらにランチタイム後には、プリンスショッピングプラザ来場者に向けて、軽井沢モーターギャザリング総合MCの青木知子さんと筆者のコンビでエントリー全車両解説ツアーを行ったのち、審査会議に入った。

ジュリー陣が選んだのは…

そして日が傾き始めた夕刻に、いよいよ表彰式がスタート。まずは来場者投票で選ばれる「ピープルズチョイス」には、この日の最古参であるラゴンダ「2.6Litre」が選出。プリンスショッピングプラザの清水さんとスタッフによる「軽井沢PSP賞」には、「紅葉に似合いそう」という理由からモーガン「プラス8」が選ばれた。

いっぽう、中村審査委員長を筆頭とするジュリー陣が選ぶのは、総合1-2-3位。まずは第3位に相当する「3RDグランプリ」は、2016年モデルのランドローバー初代「ディフェンダー110」のキャンパー仕様車となった。通常、この種のコンクール・デレガンスではあまり評価されることの無かったジャンルで、しかも従来のコンクールでは忌避されがちなモディファイを施された個体ながら、それも含めて新しい英国車の楽しみを提案しているとして評価させていただくことにした。

「2NDグランプリ」には、純粋に車両の希少性とデザインの面白さから、1950年式のオースティン「A90アトランティック トゥアラー」が選出された。そして記念すべき第1回のコンクール・オブ・エレガンス@軽井沢の最上位「グランプリ」に輝いたのは、モスグリーンのジャガー「Mk2 3.8」。「1週間に8回は磨く(?)」というコンディションの素晴らしさはもちろんのこと、エントラントである志村さんの、クルマにピッタリ合わせたファッション。一般ギャラリーにも理解してもらえるよう、手作りのボード類などを置くなど、コンクールに向けた熱意も高く評価されての栄冠だった。

なお「軽井沢モーターギャザリング」および「コンクール・オブ・エレガンス@軽井沢」自体は、来年以降も継続を期しているとのこと。ただし次回以降、筆者がジュリーのメンバーに選ばれるかどうかは未知数ながら、通常のコンクール・デレガンスとはちょっと異なる選定基準をこれから構築してゆくことになるかと思われるので、今後とも注目してゆきたいところである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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