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自転車の「ながら運転」厳罰化! ドイツにはもっと厳しく複雑な自転車ルールがありました…逆走には要注意です【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

ドイツでは毎年交通規則などが改定される

ドイツの道路交通法に基づき、毎年「Bußgeldkatalog(ブスゲルトカタログ)」という違反の点数や罰金の一覧表が更新され、それには自転車や電動キックボードに関する項目もきっちり記載されています。警察官に叱られて何度か痛い思いをした経験もあり、いまは優良自転車乗りだと自負している私ですが、過去に私が犯してしまった違反を紹介します。

まずは赤信号無視。いわゆる、誰も通らないような道にある信号であっても、赤でそのまま渡ってしまい、裏に隠れていた覆面警察官に停められました。続いて無灯火は、ライトの故障であっても同様に罰金の対象になります。さらに、歩道へ前輪が進入した直後に警察官に停められ、歩道進入でNGとなりました。ちなみに歩行者は誰もいませんでしたが、歩行者妨害の危険性ありと言われました。

そのほか、自転車道の逆走ではこれまでに結構な反則金を支払ってきました。日本のように警察官が柔らかく丁寧な口調で注意喚起し「次回から気を付けてくださいね」と解放されることはなく、いきなり威圧的な感じで接してくるのはもちろんのこと、言い訳無用で即切符を切られます。

ちなみに2024年の罰金カタログによると、赤信号無視:60ユーロ(約9800円。すでに赤信号になって1秒以上経過している際に通過した場合は100ユーロ、約1万6400円)、無灯火:20ユーロ(約3200円)、歩道走行:55ユーロ(約9000円)、歩行者妨害:70ユーロ(約1万1400円)だそうです。また、電動キックボードも同じルールが適用されます。

ミュンヘン市では2019年に対し、2023年は自転車に乗る人が30%増えたそう。「Fahrradstraße(ファーラッズシュトラッセ)」(自転車優先道路)が市内であちこち増え、バイクや自動車も通れますが、自転車が優先されるので時間帯によっては大量の自転車に囲まれることに……。30km/h規制ではありますが、さらに超スロー走行しかできない、自転車だらけで右折左折が非常にしにくいという状況になってしまうのです。

まさしく私が住むアパートの前の道路がその状態で、とくに春から秋の朝夕のラッシュ時期は、猛スピードの自転車の軍団が走っていますので、自動車で出かける際はその時間帯をなるべく避けるようにしています。自転車同士の事故も多いですし、自転車優先ということで自動車ドライバーがいくら注意しても、物凄い怒号を浴びせてきたり、ボンネットやトランクをバシンと叩かれることもあります。

最近はミュンヘン市内の道路は大工事中なのですが、その多くの目的は車道を減らして自転車道の拡張整備工事を進め、増え続ける自転車に対応を急いでいるため。きっちりと車道と自転車道がわかれていてくれた方が自動車のドライバーとしては助かりますよね。日本よりは少ないとはいえ、突然車道を逆走してくる電動キックボード、暗がりから飛び出す自転車に何度ヒヤリとさせられたことか……。

9月には完全に自転車専用の「Fahrradstraße」(自転車優先道路)第1号がミュンヘン市内にも作られました。そこは自動車の通行は禁止となり、今後もそのような道路がどんどん増えるようです。また、バイエルン州最初の自転車専用高速道路なるものが誕生し、ミュンヘンから郊外のガルヒングまでの片道23.3kmを整備中なのですが、その一部がすでに開通しているとのこと。私もこの秋の天気の良い日に、相棒の自転車でぜひ走りに行ってみたいと思います。一体、どんな風になっているんでしょうか。楽しみです。

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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