ライフ ステップバンを仲間たちとフルレストア
自宅の納屋で13年放置されていた1972年式のホンダ「ライフ ステップバン」を「クルマ好きの仲間たちと一緒に楽しみながらフルレストアで復活させました」と話す兵庫県加古川市在住の橋本雅幸さん(52歳)。わかる人にはしっかり伝わるカスタムが施され、純正の良さを崩さずひと工夫加えたお洒落なレトロバンとして製作されました。
ホンダの歴史的アイコンとなった軽トールワゴン
ホンダ「ライフ ステップバン」とは、軽乗用車である「ライフ」の派生車種として1972年9月から1974年に生産されたモデル。メカニズムはライフと共通になっているが、ボディは大きく変わっている。スペース効率やユーティリティをより重視した設計は、低いフロアと高いルーフに5ドアを組み合わせることでバンとしての使い勝手を重視。荷物の積み降しを楽に行うことができ、長尺荷物もゆったりと積めることで重宝された。
全長や全幅に対して厳しい制限が課せられた軽自動車規格に対して、当時のホンダは自由な発想でライフ ステップバンを開発。全高に対しての制限が緩かったことに着目し、ルーフを高く持ち上げたスタイルを採用。そのボディサイズは、全長2995mm×全幅1295mm×全高1620mmとなり、ベースになったライフと比べると280mmも高く設定されている。
このライフ ステップバンは、商用車としても高い機能性を備えながらもホンダ独自のアソビ心を感じさせる魅力を持っていた。その作りは、クルマのデザインを見ても、レジャーユースで活躍するカッコ良くお洒落な相棒としての存在感も示していた。
当時感を大切にお洒落なクルマを製作
今回紹介する橋本雅幸さんの初期型ライフ ステップバンは、もともと納屋の中で13年間も放置されていた。昔から付き合いのある地元のクルマ好き仲間たちと一緒にレストアついでにカスタムを施して製作し、令和に再び便利に使えるお洒落なバンとして蘇らせた。
橋本さんは当時感を大切にしながらもお洒落なクルマを製作し、そのイジり方はマニアックに楽しんでいるのが特徴だった。外装については大きく形を変えずにヘッドライトをプロジェクター+CCFL管でリメイクを施す。バンパーは純正のように見えるが、違和感を与えることなく分厚く幅広加工を施したタイプに交換している。
また、ライトの上に付くウインカーを無くしてボディとの一体感を演出するカバーを取り付けているのがポイントだ。エンジンは360ccから400ccにボアアップし、電動ウォーターポンプを装着、点火系はCDIで強化し、サウンドにこだわったオールステンマフラーに加えてキャブは単車用としてお馴染みのCRキャブをセットしているのがユニークだ。
また、サスペンションの傷みが激しかったので、ハンドリングをよくするためオリジナル車高調整式サスペンション+ピロアッパーマウントを装着。このサスについては、ホンダ「トゥデイ」用を一部流用加工で取り付けている。
内装は製作途中で、これからどんなことをして楽しもうか検討中という橋本さん。カスタム構想はいろいろとあるそうで、今後もしばらく、仲間たちと一緒に「あぁーでもない、こぉーでもない」と、クルマいじりが楽しくなりそうだと話してくれた。
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