多彩なクルマとトラックが富士を彩った
長引いた残暑も漸く収まり、急に秋の風情が高まってきた2024年10月27日(日)、富士スピードウェイでは「POWER&TORQUE」をキャッチコピーとするクルマ×トラックのコラボイベント、「オートメッセリアル×ジャパントラックショー in 富士スピードウェイ2024」が開催されました。2023年に初開催され高い人気を博したこのイベント、2回目となる今回はさらに多くのコンテンツが満載で、クルマファンやトラックマニアだけでなく、多くの家族連れで賑わいを見せていました。どんなイベントだったのか、レポートをお届けします。
ツーリングカーレースのひとつの頂点となった「GT-R vs ロータリー」を再現
「オートメッセリアル」(AMR)の目玉のひとつとなっている有力なコンテンツが「Historic Racing Car 箱車の祭典」だ。今回は1970年代の初めにツーリングカーレースを盛り上げたバトル、日産「スカイラインGT-R」(ハコスカ)とマツダ「サバンナRX-3」の対決を再現するようなシーンが演出されていた。
白いボディに太いブルーストライプが走る高橋国光仕様のハコスカGT-Rを「世界のドリキン」として知られる土屋圭市さんがドライブすれば、これに対するサバンナ勢では、フォーミュラ育ちでSUPER GTでも活躍していた谷川達也さんが寺田陽次郎仕様のサバンナRX-3で追走するといった具合で、まさに1970年代初め、富士グランチャンピオン(GC)シリーズのサポートイベントとしてマイナー・ツーリング(MT)レースと並んで大いに盛り上がっていたスーパー・ツーリング(ST)レースを再現するようなシーンが見受けられた。
ロータリーエンジン(RE)を搭載したロータリー軍団では、「コスモスポーツ」や「ファミリア ロータリークーペ」のスパ・フランコルシャン24時間レース仕様から、「サバンナRX-7」のIMSA GTU デイトナ仕様まで、さまざまな仕様が勢ぞろいし、甲高いロータリーサウンドを響かせていた。
参加者の中には遠く九州からキャリアカーで自走してきた「遠来賞」ものの強者もいた。また、箱車の祭典にはハコスカGT-Rとロータリー軍団だけではなく、興味深いクルマも見られた。それが1960年代のGTレースを席捲していた日産「フェアレディ2000」のレーシング仕様と、1955〜1957年にル・マン24時間レースを3連覇したスポーツカーレースの雄、ジャガー「Dタイプ」。今回登場したのは「ショートノーズ」でヘッドライトの見切線に特徴がある。こうしたヒストリックレーシングカーの走行は旧来のレースファンだけでなく、新たなファン層も開拓したようだ。