ベントレーとファナテック社コラボのステアリングホイールが登場
ゲーミングハードウェアのファナテック社から、ベントレーシムレーシング用ステアリングホイールが発売されました。ベントレーモータースポーツと共同開発され、「コンチネンタルGT3 パイクスピーク」用に設計されたこのステアリングホイールは、強力なクアッドコア搭載により、スムーズなビデオ再生と高度な機能を実現します。この本格的なステアリングホイールの詳細を見てみましょう。
人間工学に基づいた設計
ベントレー「コンチネンタルGT3 パイクスピーク」で使用された特別設計のレーシングステアリングホイール「ベントレー GT3 ポディウム・ステアリングホイール」が、ファナテック社から発売された。2021年の第99回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム(PPIHC)で初登場したこの新しいステアリングホイールはさらなる最適化が重ねられ、究極のシミュレーショニングレース用となる。
直径310mmのステアリングホイールには、鍛造カーボン製ベゼルとCNC加工アルミニウム製ロータリーコントロール(ベントレーの特徴であるローレット加工付き)を備えた3.4インチの円形デジタルディスプレイが搭載され、5mm厚のグリーン製織りカーボンファイバー製プレートを採用。このステアリングホイールには、ファナテック社のすべての競技用ステアリングホイールに標準装備されているクイックリリース「QR2プロホイールサイド」が取り付けられている。
中央ディスプレイに加え、バックライト付きボタン、7方向対応の2本のスイッチ、大型アルミニウム製ロータリー入力装置など、人間工学に基づいた設計が施されている。背面には、4本のマグネット式パドルと、アナログクラッチパドルが装備されている。パドルのデザインは、コンチネンタルGTをベースにしている。
リース・ミレン氏の意見を取り入れながら製作
デザインはドライバーであり、パイクスピークの伝説的存在であるリース・ミレン氏の意見を取り入れて改良された。ミレン氏の要望により、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムコースの数々のヘアピンカーブを走る際に、より大きな力を発揮できるオプションのホイール下部アタッチメント「パイクスピーク・グリップ」が追加されている。
このステアリングホイールを使用しないときは、付属のデスク/ウォールマウントを使用すれば、時計としても使用できる。また、中央ディスプレイにはサーキットのビデオを再生し、ペダルやステアリングの入力、ギアチェンジ、Gメーター、トラックマップを表示することも可能である。
ファナテック社のCMOであるベルマ・ナダレヴィッチ氏はこのようにコメントしている。
「シミュレーターレーサーの手に現実のレース技術を届けることは、ユニークな挑戦です。この製品は、当社チームの情熱と忍耐の結晶です。ベントレーモーターズと緊密に協力することで、レースのパフォーマンスと贅沢さを完璧に融合させた、本当に素晴らしいものを作り出すことができました。待つ価値がありました」
AMWノミカタ
ここ数十年の急激な進化によりシムレーシングの世界はもはや現実と同じくらいのリアルな世界を体感できるようになってきた。ソフトウェアの進化はもとより、最近ではフレームに関しても7軸や8軸のシリンダを配しリアルな実車の走行感を実現するものまで販売されている。今回のベントレー GT3ポディウム・ステアリングホイールは実際のレーシングカーのステアリングと同時に開発されたことが特徴で、ファナテックのCMOも「現実のレース技術を届けるユニークな挑戦」と語る。
すでに発売が開始されているようだが、その価格は約32万円となるようだ。価格からみてもちょっとレースゲームを楽しみたい人のためのステアリングホイールとはレベルが違う。ベントレー GT3ポディウム・ステアリングホイールは、よりリアルにレースを楽しみたいモータースポーツファンと英国ブランドの熱烈なファンにとって、コレクターズアイテムとなるかもしれない。