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リトラクタブルライトのポルシェは高額になる!?「911ターボ フラットノーズ」がおよそ4300万円で落札! ポルシェ謹製のレアモデルはどうやって作られる?

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

シャシー、エンジン、ミッションはナンバーが一致

今回RMサザビーズのモントレー・オークションに出品されたのは、新車からわずかに1万3700kmを走行したのみのアメリカ仕様。同年にはアメリカに148台の911ターボ フラットノーズが輸出されているが、その中の1台であることは、シャシーナンバー、エンジンナンバー、ミッションナンバーが一致していることを、2022年発行のポルシェ・クラシック技術証明書が物語っている。

911ターボ フラットノーズの製作には、想像以上のコストが必要だった。なぜなら1度ノーマルの911ターボとして生産されたモデルをベースに、フラットノーズなどのパートをコンバージョンするプロセスで生産されたためである(フラットノーズのアメリカ向けオプション・コードはM505とされた)。

予想落札価格内におさまりハンマーが打たれた

インテリアも同様に特別な仕様を選択すれば、1度組み上げられたノーマルのシートやトリムは取り外され、新たに希望するオプションを装備する必要があった。クラシックなガーズレッドのボディカラーに、シャンパンレザーの内装を組み合わせた911ターボ フラットノーズも、その価格は相当に高価なものだったと想像できる。

2022年8月にはアウターチェーンボックスシールが、またその1年後にはエアコンが修理されるとともに、シフトボックスも交換された出品車。またオリジナルのステレオヘッドユニットは、ポルシェクラシックコミュニケーションマネジメントの、インフォテインメント&GPSシステムを搭載するものに変更されている。

RMサザビーズでは、25万ドル〜30万ドル(邦貨換算約3700万円〜4400万円)というエスティメート(予想落札価格)を設定。注目の落札価格は29万1000ドル(邦貨換算約4256万円)。これは予想落札価格のほぼ上限に相当する数字であった。

ちなみにポルシェは、次世代の964型911においても、ターボSをベースにトータルで76台のフラットノーズを製作している。こちらはヨーロッパ仕様、アメリカ仕様、そして日本仕様とディテールが若干異なるが、2023年12月には39台がデリバリーされたアメリカ仕様の1台が、じつに146万2500ドル(約2億1700万円)という高価格で、RMサザビーズのオークションにおいて売買が成立した。911ターボ・フラットノーズの人気は、これからまだまだ世界中で盛り上がりそうな気配である。

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