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腐っていたフィアット「500L」をターボ化とボアアップでフルカスタム! 底突きするサスペンションを室内にセットした理由とは

ベース車両は1972年式のフィアット 500Lだが、その面影はボディの一部だけとなっている

ノーマル状態で購入してフルカスタム

タービンを配置し、エンジンベイいっぱいにパイピング化するなどノーマルとは異なる1972年式のフィアット「500L」。オーナーの前川さんはほぼノーマルの状態で購入し、自分好みの使用へ進化させました。フルカスタムが施された500Lを紹介します。

エンジンを830ccに拡大しターボ化

オーナーの前川さんは、1972年式フィアット「500L」を所有して1年ほど経った頃にキャブレターからインジェクションに変更するとともにターボ化。程度が悪かったというボディの腐食部分をすべて交換している。さらにパイプを通すなど補強を行っていくうちに、ほぼすべての部分に手を入れることになったという。まずはエンジン部分から見ていくことにしよう。

エンジンは830ccにボアアップされているが、ピストン径が拡大されるためブロック・クランクケースのクリアランスが足りず、先に溶接で補強し肉盛りをしたうえでボーリングを行っているという。さらにエキマニ付近の一番熱が高い部分のみを一部水冷化している。

そのほかにも830ccエンジンをインジェクション化。国産車からタービンを設置するなどの作業で、パワーアップが図られている。エンジンベイに収められたエンジンはマウント部も含めて手が入れられており、ほとんどノーマルの面影がない状態となっている。

「馬鹿なことをやり過ぎたなって。もう少し小さいピストンを使えばよかったんですけど……。これを組んだばかりのときに、いきなりシャシーダイナモの上でブローしよったんです。試運転のつもりでやったらブローバイから煙吹き出して。すぐに止めたので、シリンダーにかすかな傷が入っただけで済みました」

ノーマル部分はほとんど残されていない

エンジンだけでもかなりのものだが、それ以外の機能パーツもほとんどノーマルの面影が残されていないのが前川さんの500Lの凄いところ。足まわりに関しては、フロントはダブルウィッシボーンアームや車高調もオリジナルで製作。リアに関してはリンクを延長し室内にショックアブソーバーが設置されているが、これは整備性も考えてのことだという。

「重量が増してノーマルだと底突きするので長いショックを付けようとしていたら、中にリンクを持ってこれるなって。ノーマルはものすごくスペースがないんですよ。これだと結構後から調整の自由度が広くなるんですよ」

さらにステアリングもダイハツ「ミゼットII」のパーツを流用してラックピニオン化され、横揺れ防止用のエンジンダンパーの追加、インテリアに関してもドライバーズシート以外のシートがオフされ、各種メーターの追加などサーキット専用車として製作されている。そのため車検は通していないが、ナンバーは抹消していないという。

「ナンバーは残っています。もし登録したくなったときのために新規で取ろうと思ったんですけど、面倒で。クランクケースを作ろうとしているのですが……。今のところはちょっと疲れている感じですね」

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