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漫画『クロスオーバーレブ』劇中車のモデルとなったダイハツ「オプティ・ビークス」…オーナーは「東北660」に欠かせない存在でした

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 舟山さんのオプティ・ビークス
  • ダイハツ オプティ・ビークス:街乗りに使うことも頻繁にあるため、カーペットやアンダーコートはそのままだ。エアコンも残しており、オーディオも装備している
  • ダイハツ オプティ・ビークス:容量こそ決しては大きくはないものの、唯一無二のスタイルはトランクのおかげ。ミラやアルトのように軽量パーツがないのは難点か
  • ダイハツ オプティ・ビークス:エンジン本体はノーマル。いずれはL880Kコペンのエンジンに載せ替え、タービンもサイズアップしフルコン制御する仕様を目指すとのことだ
  • ダイハツ オプティ・ビークス:剥き出し型のエアクリーナーにはダクトを引き、外の冷えた空気を効率よく取り入れている。パイピングに施した遮熱対策も効果大だ
  • ダイハツ オプティ・ビークス:マフラーはメーカー不明。現在のハイフロー仕様であればとくに不満は感じないが、タービンを変更する際にリニューアルする可能性もある
  • ダイハツ オプティ・ビークス:足まわりはシュピーゲルでフロント14kg&リア10kg。減衰力はドライ路面であれば最大、ウエット路面なら少し柔らかめの設定だ
  • ダイハツ オプティ・ビークス:タイヤはライバルたちと同じブリヂストン「ポテンザRE-71RS」。軽量で知られるホイール、レイズ「ボルクレーシングTE37」の6J×14と組み合わせて使用する
  • レース後には「舟山賞」の授与式も。時計イジりもクルマと同等の熱量を注いでおり、部屋ひとつが時計のパーツで埋まるほどらしい
  • ダイハツ オプティ・ビークス:トランク付きの4ドアセダンという、珍しいボディ形状のオプティ・ビークス。ゼッケンで選んだ「802」は車両型式のL802Sに由来
  • 峠からJAF公認レースまでさまざまなステージを経験した舟山選手。それだけに東北660シリーズの安全性や、コスパのよさが理解できるのだろう

珍しい車種でレースを存分に楽しむ!

ドライバーとしてレースを楽しむだけではなく、表彰式はプレゼンテーターとしての顔も持つ。ふたつの立場で長らく軽自動車レース「東北660シリーズ」に関わり続け、今やイベントに欠かせない存在といえるのが舟山 康選手です。長年レースを支えるキーマンを紹介します。

さまざまな車種を愛する根っからのクルマ好き

始まりは2018年に知人のHA23型スズキ「アルト」を借り、東北660選手権にエントリーしたことだった。峠の走り屋からスタートしJAF公認レースも経験しているだけに、初参戦ながらシリーズランキングで2位と上々の成績を残す。その後もしばらくレンタル車両で走り続けていたが、2022年からは愛機ダイハツ「オプティ・ビークス」に変更し、カテゴリーも東北660ターボGPへスイッチした。

軽自動車に限らず根っからのクルマ好きである舟山選手は、ダイハツ「ブーンX4」やFD2型ホンダ「シビック タイプR」など、複数のスポーツモデルをTPOにより使い分けている。

舟山さん

しかし、一番愛着があるのはオプティ・ビークスで、仮にレースをやめたとしても手放すことはないと話す。決してメジャーなクルマではなく4ドアで車重の面でも決して有利とはいえないが、チョロQみたいなスタイルに惚れており、チューニングパーツは意外に多いという。

現在はハイフロータービンを装着した2クラス仕様となっており、トランスミッションは他のダイハツ車から流用しクロスギア化。エクステリアは純正が気に入っているので手を加えていない。また、安全性を考慮し6点式のロールケージを早々に装着した。

コペンのエンジンに載せ替えてステップアップしたい

レースは当然ながら表彰台のてっぺんに立つことを目標とするが、好きなクルマを好きにチューニングして走るだけでも楽しいとか。またクルマだけではなく時計をイジることも趣味な舟山選手は、東北660シリーズに自ら集めたG-SHOCKを提供している。不動品やパーツ取りとして買ったジャンク品を組み直し、クリーニングしたうえでなんと毎回3~4名にプレゼント。本人いわく、

「大量に持っていても自分が使う数は限られます。それなら一緒に東北660シリーズを楽しんでいる仲間で、欲しい人に使ってもらえれば私も嬉しいです」

と語り、表彰式で行う通称「舟山賞」を賭けたジャンケンは、もはや東北660シリーズの名物といっていい。ちなみに彼のオプティ・ビークスは、山口かつみさんが描く、漫画『クロスオーバーレブ!』の劇中車としても登場する。

現在は東北660ターボGPの最終戦に向け、トランスミッションの仕様変更をしているという。さらに将来の目標として同型式で構造変更がいらない「コペン」のエンジンに載せ替えたり、もっと大きなタービンに交換し1クラスへのステップアップも頭に描いているそうだ。

マシンの進化が『クロスオーバーレブ!』に反映されるかはわからないが、東北660シリーズで唯一のオプティ・ビークスとして、今後もレースやチューニングを楽しんでいく予定。舟山選手は東北660を、

「さまざまなカテゴリーがあり、旧規格やターボを含め、どんな軽自動車でも参加できるイベントです。また50万円で遊べる本格的なレースは他になく、コストパフォーマンスも最高だと思います。ドライバーの経験やクルマの仕様で細かくクラス分けされているし、定番の車種じゃなく私のようにマイナーなクルマを選ぶのもアリ。興味を持った人はぜひサーキットへ観戦に来て下さい!」

と推す。とくにターボGPはチューニングの自由度が高く、いい意味で草レースらしい草レースといえる。11月24日にエビスサーキット西コースで行われる最終戦、舟山選手の走りとオプティ・ビークスをぜひ間近で見てほしい!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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