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激レア純白の日産初代「セドリック」を偶然ゲット!…車検を通すためにパーツ集めから始まった旧車ライフを楽しんでます

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1963年式の日産 セドリックとオーナーの庄嶋さん
  • 日産 セドリック:各部のデザインやモールなどの装備など、優雅な雰囲気が漂う
  • 日産 セドリック:各メッキ類も年式相応の劣化は見られるが、高級車の風格を損なわぬよう美しく磨き上げられていた
  • 日産 セドリック:排気量1900ccの直列4気筒エンジンを搭載しており、「Cedric 1900」のエンブレムが輝く
  • 日産 セドリック:ボタンタイプではない当時のクラクションに、ビンテージカーならではの趣を感じる
  • 日産 セドリック:時計の右隣の空間が、ポータブルラジオを収納する場所。その下は、前オーナー時代に装着されたと思われる軽自動車用のクーラーが鎮座する
  • 日産 セドリック:純正ラジオは、画期的なポータブルタイプが採用されていた
  • 日産 セドリック:タックロールタイプのベンチシート。アメリカンソファーのようなデザインは、高級車としての存在感を主張していた
  • 日産 セドリック:現代では珍しいグリーンが基調の内装の配色。ドアの形状も当時らしさが溢れている
  • 日産 セドリック:愛車のミニチュアを飾るのは、クルマ好きにとっては定番のアピールだ
  • 日産 セドリック:柔和なフロント周りとは対照的に、テールフィンデザインが採用されたリアはシャープな印象
  • 日産 セドリック:横に配置された丸目4灯ヘッドライトは、1962年以降の後期型の証。上下に分割されたグリルが特徴的だ

人とは違うクルマが欲しい! そんなこだわりもクルマ好きの特徴!?

クルマ好きともなれば、欲しいクルマが最新の現行車でも、あるいはどれだけ古い車両でも、なんらかのこだわりがあるはず。「塩田津で【勝手に】旧Car」でお会いした庄嶋さんは、「誰ともかぶらないクルマ」であることにこだわった結果、この1963年式の日産「セドリック」と奇跡的に巡り合えたのでした。

馴染みのショップにたまたま入庫した珍しい旧車

「購入したのは今から10年ぐらい前になります。昔から通っていたクルマ屋さんに停まっていたのですが、どうやら前オーナーさんが手放した後のタイミングでたまたま私が通りかかり、ちょっと見せてもらったのがきっかけでした」

そう語る庄嶋さんが、この日産「セドリック」を購入するきっかけのひとつとなったのが、ホワイトのボディだった。現存する古い当時の高級車は、ブラックであることが多い。もちろん1963年という年式だけでも希少車になるが、ホワイトはとくに珍しい。

「正直、本当に買おうかどうしようか悩みました。でも、ほかの人が乗っている車両とは被りたくないという思いもあり、悩んでいるうちに欲しくなってしまったのです」

パーツの入手はもちろんだが、希少車ともなると情報も少ない。その結果、維持することに苦労するという、旧車を楽しむオーナーにとっては誰もが直面する現実はある。しかし、同じ車両を見かけないという絶対的な珍しさが、最終的な決め手になったのだった。

旧車ならではの悩み事も楽しみのひとつ

購入を決めたはいいが、ウインカーレンズが破損していたため車検が通らないという問題がすぐに発生。早く愛車に乗りたいがために、契約直後からネットで情報を漁りスペアパーツを買い集めた。真っ先に必要だったウインカーレンズは、グリルとして売りに出されていた商品にレンズが残されていたのを格安で購入。燃料ポンプは電磁式へと変更したぐらいで、機関系も良好。そして無事に車検を通過して、庄嶋さんのもとへと嫁いできた。

「納車までにできるだけパーツを探したので、フロントガラスやモール類一式、リアバンパー、ホイールキャップなども予備として手に入れることができました。みなさん同じだと思いますが、古い車両はやっぱりパーツの入手が大変ですね」

大変なのはパーツだけではなく、実際の使用にあたっても旧車ならではの苦労は絶えない。庄嶋さんの愛車でいえば、エンジンのパワーが少ないのに車体が重いから、ブレーキが効かない。前オーナーによりクーラーは装備されているが、使用するとバッテリーに影響あり。停車中はバッテリーが減ってしまうため、走行中しかクーラーが使用できないそうだ。

「納車されてすぐの時には、ライトのハイビームとロービームが一般的な車両とは逆に装着されていましたね。変だなと違和感を覚えつつも、私もクルマ屋さんも当時の状況を知らないので、この状態が正しいのか、それとも間違っているのか? その判断がすぐにできませんでした(笑)」

いろいろとトラブルが発生しても、そんなのは旧車乗りにとっての日常会話のようなもの。やって来る難題をひとつひとつ乗り越えて、庄嶋さんのように笑って話せるようになることが、旧車乗りには必要なのだと実感した取材だった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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