2つのモデルのオーナー合同で「DTMを戦ったライバルたちの宴」が開催
近年クラシックカー界でひとつのジャンルとして確立したのが「ヤングタイマー」というジャンル。その人気の中核的存在といえるのが、1980年代のドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)で覇を競ったBMW E30系「3シリーズ」と、メルセデス・ベンツ「190シリーズ」(W201)です。そんな2つのモデルのオーナーたちが合同でミーティングを開催。その名も「DTMを戦ったライバルたちの宴」とは、どんな雰囲気だったのでしょうか。
20世紀の熱き戦いの再現!?
1980年代中盤から1990年代中盤に至るまで、市販車をベースとしたツーリングカーによるドッグファイトが人気を博した、ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)の第1期。アルファ ロメオなど各国メーカーも参戦していたが、やはりドイツのブランドが多数を占めていたDTMにおいて、熱い戦いを繰り広げていたのがメルセデス・ベンツとBMWだ。両社は参戦していた「190E」とE30型「M3」に、レース参戦のためのホモロゲーションモデルとなるエボリューションを投入するなど、ライバルとしてしのぎを削っていた。
そんな歴史をふまえて、メルセデス・ベンツの「190シリーズ」(W201)とBMW「3シリーズ」(E30)のオーナーたちが合同ランチミーティングとして開催したのが、「DTMを戦ったライバルたちの宴」である。
約30台のW201とE30が集合
2024年11月3日(日)、会場となった神奈川県の服部牧場駐車場には合計約30台のW201とE30が集合。開始時間の前にもかかわらず、あえてクルマをランダムに並べて撮影する参加者たちの姿には長年の仲間という雰囲気も漂うが、じつは初めて会う人も多いのだという。
W201とE30が集う今回の宴だが、30日はE30の日ということで毎月集まっているE30系3シリーズ仲間の中にW201のオーナーたちと連絡を取り合っているメンバーがおり、そのメンバーを通じて呼びかけたのが開催のきっかけだそうだ。お互いに、そういった趣旨で集まってみたいという想いがあったそうで、リーダーが数回のミーティングを行い、今回の開催を迎えたのだった。
同じドイツ車だがオーナーのキャラクターも違う?
メルセデス・ベンツW201とBMWのE30が左右に並べられ、その中央にオーナー代表同士がレーシングスーツを着用して立つ、という写真撮影から宴はスタート。DTMでのライバルとの戦いのスタートといった演出だが、もちろん宴そのものはバチバチした関係ではなく、和やかに進行していたのはいうまでもない。
集まったクルマたちは、W201がベースグレードといえるアンファングからホモロゲーションモデルとなるエボリューションIIまで。対するBMW E30もカブリオレ、M3、M3スポーツエボリューションまで、バラエティに富んだものとなっていた。
そんな中、クルマを並べている際にE30オーナーたちが「メルセデスの人たちはちゃんとしているなぁ」と話している声が聞こえてきた。じつはW201サイドの参加者にはSNSの呼びかけで参加した方も多く、「初対面なのでちゃんとしなきゃ」という事情もあったようだが、同じドイツ車同士でも、ブランドごとにオーナーのキャラクターが分かれている、という指摘は印象的だった。ここに同じくDTMのライバルであった、アルファ ロメオ「155」のオーナーたちがいたらどうなっていたのか、そう考えるとちょっと楽しくなってくる。
数時間の歓談の後、ある意味で今回のメインともいえるBBQが開始され、オーナーたちは食事をしながら交流を図り、その後は自由解散となって今回の「DTMを戦ったライバルたちの宴」は終了。次回開催などは未定だとのことだが、同一車種だけで集まるのではなく、テーマを持って複数のモデルが集まる、こういったミーティングも楽しいものだ。