ロータス ヨーロッパこそ特別な存在
2024年7月28日(日)に栃木県立日光霧降アイスアリーナを会場として開催されたイベント「Free Motor Meeting(フリーモーターミーティング)」は、栃木県内を中心とするクルマ好きが集まる社交の場です。今回は、会場で気になった鳥海(ちょうかい)利明さんのロータス「ヨーロッパ スペシャル」を紹介します。
売却したセリカGT-FOURが頭金
「スーパーカーブームの全盛時にフェラーリやランボルギーニも好きだったのですが、やはり、ロータス ヨーロッパこそが特別な存在でした。フロントの丸み、リアの直線具合、そして、車高の低さが子どもながらに印象的で、あのときのトキメキをいまでもはっきり憶えています。将来、自分で所有できるとは思っていませんでしたね」
そのように話してくれた鳥海(ちょうかい)利明さん(61歳)は、1973年式のロータス「ヨーロッパ スペシャル」を2000年4月にゲットした。
「趣味性が強い自動車雑誌の広告に載っていたヨーロッパ スペシャルのことが気になり、仕事が休みの日に3カ月ぐらいショップに通って買ってしまいました。6年乗ったトヨタ ST205型 セリカGT-FOUR WRCを売り、それで得た軍資金が頭金です」
自動車整備士である鳥海さんは愛車のメンテナンスを自分で実施しており、10年前にボディを再塗装し、キャブレターは6年前にリビルト。購入当初はテールランプが赤レンズだったので、オレンジに変更している。そのほかにもこれまでにホイールは自身で3回塗装しており、4年前にガンメタで塗装したのが今現在における最後のホイール塗装となっている。
父親が造ってくれたガレージに保管
「この夏も酷暑でしたが、2018年12月からエアコンを装備しているので、暑い夏も彼女の“初ちゃん”と快適なドライブを楽しんでいます。エアコンはプロショップで施工してもらい、エンジンルーム内にコンプレッサーがあります」
ヨーロッパ スペシャルの購入時に売却したST205型 セリカGT-FOUR WRCのほかにも、トヨタ「カリーナ」の2ドアハードトップやトヨタAW11型「MR2」にも乗っていたという鳥海さんは、歴代の愛車を父親が造ってくれたガレージに保管してきたらしく、それにまつわるエピソードも話してくれた。
「ヨーロッパ スペシャルを入れているガレージは自宅の横にポツンと建っていて、大工を生業としていた父親が廃材などを活用して設けたものです。私が18歳になり、運転免許を取得したタイミングで造ってくれました。築43年になりますね」
あくまでも車庫という概念で建てられているため、ガレージの中にミニカーを置けるようなスペースが無く、お気に入りのアイテムは自室内に展示しているとのこと。たくさんあるコレクションのなかには歴代の愛車が題材となったミニカーもあり、それらの一軍アイテムはガラスケース内に置いているそうだ。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
現在は元のガレージに移動
「そういえば、今から21年前に自宅を新築することになり、臨時のつもりでヨーロッパ スペシャル用の車庫を借りたら、そこに16年もお世話になってしまったんですよ」
鳥海さんは自宅を新築するにあたり両親とは別のアパートに引っ越し、それほど遠くない場所にある扉付きの車庫を借りて、ヨーロッパスペシャルを保管する生活を開始したという。やがて自宅が完成し、いざ愛車をガレージに収納しようと思ったら、父親が自身の軽自動車を入れてしまっていて、すでに占拠されていたらしい。
「友人のヨーロッパも同じ車庫で保管していたこともあり、気づけば16年も経ってしまいました。5年前に父親が他界したので庭にカーポートを設け、軽自動車をそちらに移動。ヨーロッパ スペシャルは父親が建ててくれたガレージに戻しました」
川の近くにあったという扉付きの車庫は賃料が安かったそうだが、それでも16年分なので、合算するとスチール製の良いガレージを建てられるぐらいの金額になったのであった。心優しき鳥海さんのヨーロッパ スペシャル生活は、これからも“初ちゃん”とガレージを名バイプレイヤーとしながら楽しい思い出を紡いでいく。
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