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教え子の実家に眠っていた日産「フェアレディZ432」を路上復帰! 20年以上不動だった納屋物件を自分たちでレストア…エンブレムは盗難対策でステッカーに

日産 フェアレディZ432:元のボディの色はシルバーだったが、純正のイエローに色替えしている

20年以上の眠りから覚めた貴重なS20搭載のフェアレディZ

2024年10月20日に埼玉県川島町役場にて今年で4回目となる「昭和平成なつかしオールドカー展示会」が開催され、300台を超えるクラシックカーが集結しました。そんな会場で見つけた気になる車両とオーナーをピックアップ。今回はS20型エンジンを搭載した日産「フェアレディZ432」を紹介します。

所謂バーンファインドものを自身でフルレストアして路上復帰

イベント会場には商用車からスポーツカー、そして懐かしのセダンまで幅広い車両が集まっていたが、中でも異彩を放っていたのが、この日産「フェアレディZ432」だ。通常のフェアレディZはL20型やL24型などを搭載するが、この車両はハコスカGT-Rと同じDOHC 2LのS20型を搭載するスペシャルモデルのZ432だ。

このクルマの前には2ドアのハコスカGT-Rに20年ほど乗っていたというオーナーの小林さんに話を伺うと、このクルマは教員である小林さんの教え子の実家で、納屋に20年以上眠っていたものを今から10年ほど前に入手。その後3年半かけて教え子にも協力してもらい、自分たちでバラバラにしてフルレストアを敢行し現在の姿になったそうだ。元のボディの色はシルバーだったが、このレストアの際に小林さんの好みで純正のイエローに色替えしている。

ハコスカGT-Rと同じエンジンを搭載したスペシャルモデルとは

フェアレディZ432は、フェアレディZの高性能版として1969年にデビューする。ちなみに変わった車名の由来は、「4バルブDOHC、3キャブレター、2カムシャフト」で、搭載されるS20型エンジンを表している。最高出力160psと今となってはごく一般的なスペックだが、スカイラインより軽量かつ空力に優れたボディを持つフェアレディZ432は、当時としては驚くほどの高性能を誇り、ハコスカGT-Rと同様レースでも活躍した。ところがオイルショックによるガソリンの高騰や排ガス規制の強化などの影響を受け、同じS20型エンジンを搭載していたケンメリGT-Rと同じ1973年に生産を中止してしまう。

一般的なZとZ432の外観上の違いは、フロントフェンダー左右と、リアハッチに備わる432のバッジと、縦2本出しのエグゾーズトパイプくらいであまり多くはない。

貴重なエンブレムは盗難対策でステッカーに交換

小林さんはレストアした際にS20型エンジンもしっかりとオーバーホールをしており、エンジンは今でも絶好調。フェアレディZ432の特徴となっているマグホイールはオリジナルを保管し、普段はアルミニウム製のレプリカを履いている。珍しいのはガソリンタンクで、このクルマはスポーツコーナーで取り扱っていたと思われる巨大な100Lガソリンタンクを装着しているのだ。リアから見ると通常のガソリンタンクより大きく張り出しているのが見え、いかに大きいかが分かるのだ。

「ちなみにリアハッチの432エンブレムがステッカーなのは、盗難対策です。よく盗られちゃうらしいので、ステッカー作成して本物は自宅に保管してあります(笑)。1回しっかりとレストアしているので、今はトラブルもほとんどなく、維持にもさほどお金も掛かりません。じつは燃費も6.7km/Lとまあまあ走りますしね」

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