長年納屋に眠っていたセリカ カムリ2000GTを路上復帰
2024年10月20日に埼玉県川島町役場にて今年で4回目となる「昭和平成なつかしオールドカー展示会」が開催され、300台を超えるクラシックカーが集結しました。そんな会場で見つけた気になる車両とオーナーをピックアップ。今回はトヨタ「セリカ」の陰に隠れた名車、「セリカ カムリ2000GT」を紹介します。
近所のオーナーに直接交渉して手に入れたカムリのトップグレード
ダルマセリカことトヨタ初代「セリカ」の1600GTに乗っていたオーナーの天沼さんは、遅れて登場する2Lの18R-G搭載の「セリカ リフトバック」に憧れていた。そこで目をつけたのが、セリカ リフトバックと同じエンジンを搭載したセダン版の「セリカ カムリ2000GT」だったのだ。ちょうどその頃近所にこの1980年式のセリカ カムリ2000GTに乗っている人がいて、直接交渉の末に今から27年ほど前に譲り受けた。
外装の状態も非常に良く、エンブレムやモール類にも欠品はない。基本的にはオリジナルのままだが、ホイールのみ14インチの純正品から「セリカXX」や10系「ソアラ」用に装着されている15インチのアルミを装着。
インテリアもステアリングのみナルディに交換しているものの、ファブリックのシートやドアパネルだけでなく、ダッシュにもダメージはまったく見られない。7000rpmからレッドゾーンとなるタコメーターが収まる木目のダッシュパネルも良いコンディションをキープしていた。
セリカ カムリ2000GTはセダンの皮を被った狼
セリカ カムリはセリカ/カリーナのコンポーネンツを流用し、セリカのセダン版として1980年に登場した。実際にはカリーナセダンの兄弟車であった。当初はセリカ/カリーナ同様のFR方式を採用するが、ひと足早く1982年のモデルチェンジでFF方式となってしまうため、FR方式のカムリはたった2年間のみという貴重な存在であった。ちなみにこの2年間は、正式名称が「セリカ カムリ」となる。
そんなセリカ カムリのトップグレードであるGTには、EFI化された2L DOHCの18R-GEUを搭載。足まわりも4輪独立懸架&4輪ディスクブレーキを装備した本格的なスポーツセダンだった。見た目はごく一般的な4ドアセダンながら、セリカと同じエンジンを搭載したセリカ カムリ2000GTは、まさに羊の皮を被った狼だったのだ。
リタイヤを機に復活を果たす
天沼さんはその後結婚したこともあり、セリカ カムリを実家の納屋に収め、長い眠りにつくこととなる。そんな状況が変わるのは今から3年前のこと。ガムシャラに働いていた天沼さんもいよいよリタイヤの年齢を迎え、これをきっかけに納屋に眠っていたセリカ カムリ2000GTの復活をすることとなったのだ。
状態は良かったものの塗装は若干傷んでいたため、レストアの後、外装のみ同色でリペイント。内装は状態が良かったためあえてそのままとしている。エンジンはオリジナルのままだが、インジェクションまわりはポンプを含めてオーバーホールしたほか、状態の良くないガソリンタンクは、71系カローラ用を加工流用している。こうして見事路上復帰を果たした天沼さんのセリカ カムリ2000GT。写真を見ればわかる通り、令和の現代にまるでタイムスリップしたかのような状態をキープしているのだ。
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