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たったの35万円! なぜダットサン「510ブルーバード」を選んだ?…31年所有してカスタムは終了、今後は現状維持が課題です

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 1972年式のダットサン 510 ブルーバード 1800SSSとオーナーの山下研志さん
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:31年前に35万円で購入したという
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:1970年9月に登場した1800ccのスリーエスで、「最強の1800SSS」と呼ばれたモデル
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:より軽快感を求めてストリートチューニングを施している
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:31年前に35万円で購入したという
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:4灯ヘッドライトの一部をエア導入口としてリメイクを施している
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:迫力のある足まわり
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:購入時はハヤシストリートを履いていたが少し細かったので、現在はF7J/R8Jのワーク製エクイップを装着している
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:キャリパーを片持ちから純正流用の対向4ポットキャリパーに交換している
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:サスペンションはオリジナル車高調キット+調整式ピロテンションロッドでハンドリングの良さを追求する
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:マフラーはタコ足も含めてフジツボ製を装着させている
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:エンジンは亀有製のパーツを使ったフルメカチューンだ
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:ストラットタワーバーに加えてピロアッパーマウントも装着。キャンバーも目いっぱい付けている
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:ステアリングはダットサンコンペをセット。内装は純正のままコンディションはかなり良い
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:シートは走り屋御用達のブリッドに交換している
  • ダットサン 510 ブルーバード 1800SSS:チンスポイラーを装着する

「ゴーイチマル」で親しまれて今でも人気車

数ある昭和の名車の中でも特別な存在感を放っているのが「ゴーイチマル」こと3代目となるダットサン510型「ブルーバード」です。旧型のボリューム感あるスタイリングから一転して、シャープなラインにシンプルな面で構成された軽快感あふれる3代目のスタイリングは、当時、スーパーソニックラインと呼ばれ好評を博しました。そんな510型ブルーバードに乗る山下研志さんに愛車にまつわる話をお聞きしました。

モータースポーツで大活躍した510ブル

ダットサン510型「ブルーバード」は、軽量、高剛性のモノコックボディに効率に優れた4気筒エンジンを搭載し、現代国産乗用車の原点として注目された。ほかのメーカーのサスペンションがトラック譲りのリジットリーフだった時代に4輪独立懸架サスペンションを採用し、フロントがストラット、リアはセミトレーリングアームによってスポーツ走行性能を高めた。

実際、この510型ブルーバードのモータースポーツにおける活躍は凄まじく、北米プロダクションレースはもちろん世界ラリー選手権においても、クラス優勝、チーム優勝の2冠をサファリラリーで獲得するなどの快挙を成し遂げている。

そんな510型ブルーバードは、今も昔も根強いファンに支えられている。ここで紹介する山下研志さん(55歳)もそのひとりで、購入したのは今から31年ほど前のこと。友人たちの影響もあって旧車に乗りたくなり、自身の年齢に近い1972年式の510型ブルーバードを購入した。

31年前に35万円で購入

これまでの愛車歴は日産330型「セドリック」からはじまり、430型セドリック、「アベニール」、「プリメーラ」、「セレナ」、Y11型/Y12型「ウイングロード」からの510型ブルーバードという流れ。たくさんある昭和のクルマから510型ブルーバードを選んだ理由は、「友人たちがスカイラインに乗っていたので、それ以外の車種を探した結果がコレになった」ということだった。ちなみに、今から31年前の510型ブルーバードの購入価格を聞いてみると、驚くことに35万円だったという。まったくもって今では信じられない金額だ。

510型ブルーバードには進化の歴史があるが、山下さんの愛車は1970年9月に登場した1800ccのスリーエスで、「最強の1800SSS」と呼ばれたモデルである。この年に登場したブルーバードは1971年8月にフルモデルチェンジが行われ、たった1年で610型ブルーバードが登場した。山下さんの510型ブルーバードの年式は1972年式ではあるが、この年はちょうど510型ブルーバードが車種整理という形でニューモデルの610型ブルーバードと併売していた時期にあたる。したがって、販売が重なり合った時期の最終モデルというわけだ。

軽快に乗れるクルマに仕上げる

走りの510型ブルーバードだけに、山下さんの愛車はより軽快感を求めてストリートチューニングを施している。エクステリアはチンスポイラーの追加、ホイールをワーク製エクイップに交換している程度だが、エンジンはオーバーホール時にヘッドチューンを施し、ハイカムを組んだユニットを製作して搭載。そのエンジン仕様に合わせるためサスペンションも強化し、オリジナル車高調キットにピロアッパーマウント、調整式ピロテンションロッドを装着。ブレーキも強化しキャリパーを片持ちから純正流用の対向4ポットキャリパーに交換している。

今後の予定について山下さんに聞くと、

「もうこれ以上はイジる必要がないので、これからはコンディションをいかにキープさせていくかが課題です。直せる箇所は悪化する前に早めに処置を施し、大切に乗り続けます」

ということだった。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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