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実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!

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TEXT: 萩原文博(HAGIHARA Fumihiro)  PHOTO: 萩原文博(HAGIHARA Fumihiro)

急速充電に頼らず、普通充電での長時間充電がポイント

今回のテスト車は、車両本体価格528万円(消費税込)のBYD「シール」のRWD(後輪駆動)車。ボディサイズは全長4800mm×全幅1875mm×全高1460mm、車両重量2100kg、モーターは最高出力312ps、最大トルク360Nmを発生。駆動用バッテリー容量は82.56kWh。満充電時の走行可能距離は640kmとなっている。スペック上では東京から大阪までは無充電で走破できることになっている。

前日の夜から普通充電器で充電し、オドメーター7005km。走行可能距離640kmでスタートした。東名、新東名ともに目立った渋滞はなく、新東名に入ってからはアダプティブクルーズコントロールを使用し走行していると、藤枝付近から雨が降り始めた。

そして、最初の休憩地である長篠設楽原PAに到着。オドメーター7261km。バッテリー残量54%、走行可能距離344kmとなった。この時点での走行距離と走行可能距離を足すと600km。エアコンも付けていて、ワイパーも作動させていることを考えると、なかなかの数値となっている。

新東名は渋滞なく通過したものの、本来のルートである東名が大渋滞。しかたなく遠回りにはなるが、伊勢湾岸道から新名神ルートを選択。こちらも豊田東ICから豊明ICまで40分の渋滞だったが、東名に比べれば短い。宿泊地の近江八幡に20時到着。到着時のオドメーターは7456km。バッテリー残量は17%、走行可能距離は107km。初日の走行距離は451km。走行可能距離は107kmだったので、合計すると558km。カタログスペックの87%という好成績だった。

宿泊するホテルに200V 6kWhの充電器が2器あり、誰も使用していなかった。充電を開始すると、満充電まで残り13時間23分の表示。翌日は10時出発なので、ちょうど満充電になる計算だ。

前日の雨が嘘のように天気は晴。普通充電器のおかげで、2日目も充電100%、走行可能距離640kmでスタート。この日は大阪への短い移動なので、充電はせずに終了。

大阪から東京へ向かう道中に浜松SAで急速充電

そして3日目は、大阪から東京へ向かう。途中京都の友人がシールを見たいというので立ち寄り。この時点でオドメーターは7595km。バッテリー残量76%。走行可能距離は491km。一般道中心ということもあり、合計で630kmという好電費を記録した。

名神高速の京都南ICから東京を目指す。当初は充電しなくても到達できそうだったが、季節外れの暑さの影響と高速走行で走行可能距離の減りが進む。そこで、急速充電の性能チェックを兼ねて、新東名高速の浜松SAで急速充電を行った。

浜松SA到着時のオドメーターは7815km。バッテリー残量は32%。走行可能距離は204km。走行距離は359kmなので、合計で563km。カタログスペックの87.9%と相変わらず高い。30分の充電で、バッテリー残量は67%まで回復。走行可能距離は429kmとなった。ナビゲーションによると東京まで236kmなので余裕だ。

新東名・東名と順調だったのだが、日曜日の夕方だけに、厚木から横浜町田まで渋滞。自宅に到着した際のオドメーターは8045km。バッテリー残量は19%。走行可能距離は118kmだった。数値では193km残るはずだったのだが、渋滞などの影響で悪化したようだ。それでも今回のロングドライブで、シールは巧みなエネルギーマネジメントを行っていることが、航続走行距離のカタログ数値の達成率からもわかり、この点が国産BEVより一歩リードしていると言える。

これまでのBEVによるロングドライブだとバッテリー残量が50%を割り込むとドキドキしはじめたが、シールは50%でも約300kmも走行可能と表示するので、これまでのような不安は払拭される。しかもこれだけの走行距離を走行可能なBEVが実質500万円以下ということに驚いた。

やはりBEVのロングドライブは、急速充電器に頼らず夜間駐車する際に普通充電で100%にすることが快適にドライブするためのキーポイントとなることを実感した。そして同時にBEVの航続走行距離が短いというのは過去の話というのも再認識できた。

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