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ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?

ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

ほぼ未走行のザルツブルクカラー

いっぽう、インテリアはむき出しのアルミパネルで仕上げられ、ドライバー用のミニバケットシートやクイックリリース式のステアリングホイールも装備。5歳以上の子どもが乗ることができるほか、一体化したドア&ルーフ、およびチャイルドシートを外せば、大人でも乗車可能とのことである。

917K ジュニアは全車、オーダー主の希望に合わせたボディカラーとインテリア・トリムの組み合わせでオーダーメイドするとのことで、ハーフスケール・カーズ社のカタログでは「ガルフ」や「マルティーニ」のリバリーもラインナップされているが、今回の「The Quail 2024」オークションは、1970年のル・マン24時間レースでポルシェに史上初の総合優勝をもたらした「ザルツブルク」カラーのゼッケン18番を模したものとなっている。

ほぼ未走行というこの917K ジュニアをオークションへと出品させるに際して、ボナムズ社は4万ドル(邦貨換算約610万円)~6万ドル(邦貨換算約920万円)という、なかなか強気なエスティメート(推定落札価格)を設定していたのだが、その一方で「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品としていた。

この「リザーヴなし」という競売形態は、価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型オークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、自動的に落札されてしまうリスクも内包している。

そして迎えた競売では「リザーヴなし」が裏目に出てしまったようで、ボナムズ社側に支払うプレミアム(手数料)込みでもエスティメート下限に届かない3万5840ドル。現在のレートで日本円に換算すれば、約550万円で競売人のハンマーが鳴らされる結果となったものの、それでも元来が子ども用と思えば、やはり驚きに値する高額落札といえるのではあるまいか……?

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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