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ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?

3万5840ドル(邦貨換算約550万円)で落札されたポルシェ「917K ジュニアカー」(C)Bonhams

ポルシェ史上初のル・マン総合優勝車、917Kが72%スケールに

オークション業界における世界最大手の座を「RMサザビーズ」社と争っている英国「ボナムズ」社が、米国カリフォルニア州カーメル近郊の大型ゴルフ場にて開催した「The Quail 2024」オークションでは、クラシックカーや近代スーパーカーなど1/1サイズ、本物のクルマたちが数多く出品された一方で、子どものために小型化した、いわゆる「ジュニアカー」あるいは「チルドレンズ・カー」たちのカワイイ姿も見られたようです。今回はそれらの出品車両からポルシェ917K」を忠実に小型化した1台をピックアップし、紹介します。

ホンモノそっくり? 3Dスキャンで開発した本格的な作りのジュニアカー

この夏、ボナムズ社の「The Quail 2024」オークションに出品されたジュニアカーについて、ボナムズ社の公式ウェブカタログには、製作したコンストラクターに関する記述はないようだが、調べてみると、昨今この種のジュニアカー業界でおいて意欲的な作品を続々と生み出している「ハーフスケール・カーズ(Half Scale Cars)」ブランドのプロダクト「917K ジュニア」であることがわかった。

ただし屋号は「ハーフスケール」ながら、この917K ジュニアは72%スケールとのこと。オリジナルの1970年ル・マン優勝車、シャシーナンバー「917.023」の3Dスキャンを使用して開発され、全長は2.6m、全幅は1.6mとのことである。

パワーユニットは、専用キーでセルモーターを回して始動するホンダ社製230cc単気筒9psのガソリンエンジンを選択。最高速度は時速35マイル(約56km/h)に達するという。

シャシーはパウダーコーティングされた軽量チューブラー構造で、空気入りタイヤと10インチホイールを装着する。また、フロントにはスプリング式サスペンションやラック&ピニオン式ステアリングが与えられ、油圧式ブレーキや実際に作動するヘッドライトとリア冷却ファンも装備する。

ほぼ未走行のザルツブルクカラー

いっぽう、インテリアはむき出しのアルミパネルで仕上げられ、ドライバー用のミニバケットシートやクイックリリース式のステアリングホイールも装備。5歳以上の子どもが乗ることができるほか、一体化したドア&ルーフ、およびチャイルドシートを外せば、大人でも乗車可能とのことである。

917K ジュニアは全車、オーダー主の希望に合わせたボディカラーとインテリア・トリムの組み合わせでオーダーメイドするとのことで、ハーフスケール・カーズ社のカタログでは「ガルフ」や「マルティーニ」のリバリーもラインナップされているが、今回の「The Quail 2024」オークションは、1970年のル・マン24時間レースでポルシェに史上初の総合優勝をもたらした「ザルツブルク」カラーのゼッケン18番を模したものとなっている。

ほぼ未走行というこの917K ジュニアをオークションへと出品させるに際して、ボナムズ社は4万ドル(邦貨換算約610万円)~6万ドル(邦貨換算約920万円)という、なかなか強気なエスティメート(推定落札価格)を設定していたのだが、その一方で「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品としていた。

この「リザーヴなし」という競売形態は、価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型オークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、自動的に落札されてしまうリスクも内包している。

そして迎えた競売では「リザーヴなし」が裏目に出てしまったようで、ボナムズ社側に支払うプレミアム(手数料)込みでもエスティメート下限に届かない3万5840ドル。現在のレートで日本円に換算すれば、約550万円で競売人のハンマーが鳴らされる結果となったものの、それでも元来が子ども用と思えば、やはり驚きに値する高額落札といえるのではあるまいか……?

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