4名のパラモトライダーが参加
一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)が主催する「パラモトライダー体験走行会」。交通事故などによってバイクに乗り続けることができなくなった元ライダーに、もう1度バイクに乗る楽しさを体験してもらおうという企画です。2020年の初開催からすでに4年の活動を経て、これまでに延べ150名以上のパラモトライダーを輩出しています。
二輪車オークション会場で初開催
2024年11月16日(土)に、7カ月ぶりとなるSSPパラモトライダー体験走行会が開催された。今回の開催場所はバイクのオークションを運営するBDS(ビーディーエス)の柏の杜オークション会場である。
千葉県柏市にある国内最大規模を誇る二輪車オークション会場は、5000台もの車両が収容できる二輪車展示場と大小2つの応札会場を備えており、食堂やリフレッシュコーナー(休憩所)、仮眠室などを備えている。今回は、バイクイベント「BDSバイクセンサー秋の祭典2024」に合流する形でSSPのパラモトライダー体験走行会の開催となった。
前回開催から7カ月ものスパンが空いた理由は、脊椎損傷など体温調整の難しいパラモトライダーもいることから夏の開催を見送り、当初2024年9月1日に予定されていた「やるぜ! 箱根」(パラモトライダーを中心としたツーリング企画)が天候不順のため延期となったからだ(11月30日の開催予定)。
2024年は、SSPをサポートしているSDGから提供された国産バイク4台の導入があり、パラモトライダー体験走行会未開催の時期に「SSPライト」と題して、SSPの活動PRにも力を入れてきた。すでにSSPライトの開催は10月から3回も行われている。
さて、今回の柏の杜オークション会場は出展者のブースエリアと、キッチンカーとレストスペースを備えたステージエリア、そして試乗会系のエリアに分かれていた。試乗エリアの一角を借りるカタチで体験走行会が行われた。
多くの方に興味を持ってもらえた
今回は、半身不随、盲目、脊椎損傷による下半身不随という機能障がいを持った4名のパラモトライダーが参加。その体験を行うすぐ横にはイベントの来場者も詰めかけ、多くの一般ライダーや家族連れが見守る中での走行となった。
一般来場者からは「どうやってバイクに乗っているのか?」とか「自分たちも乗れるのか?」といった質問も多く受けることとなった。誰でもその場で試乗できるという形式は取っていないため、この日のパラモトライダーは予定通りの4名のままだったが、「ぜひ乗りたい」とイベントに同行しているSSP専属の理学療法士との問診を行った来場者も多かった。
また、活動に感動したと言ってボランティア参加を検討したいという方もいた。あらためて、この意義深い活動を広く知ってもらう機会ともなった。
今回、バイクのカスタムを行っているTRIJYA(トライジャ)のサポートで自動・電動補助輪が装着されたカワサキ「ninja 1000SX」がこの会場に持ち込まれた(今回は展示のみ)。この車両も多くの注目を浴びることとなった。現在のところ、SSPが所有するこの自動の補助輪装着車は2台(このカワサキ ニンジャとホンダ アフリカツイン)のみだが、さらに増車されることになれば、箱根ターンパイクでのツーリングでも、サポートするボランティアスタッフも一緒にツーリングができるようになるということで、その夢の早期実現にも期待したい。